成熟期に入ったコンテンツ・フィルタリング
2001/3/13
(03/09/01, 7:32 a.m ET) By Charles Bermant, TechWeb
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初期のインターネット・コンテンツフィルタリング製品では、ポルノサイトを排除するために「breast」(胸)という単語を入力すると、鳥料理のレシピや乳ガンのサイトまでも排除してしまっていた。この技術の概念はその頃と比較すれば大いに進歩した。
最初のフィルタリングプログラムではコンテンツではなく単語に基づいており、フィルタリングの範囲があまりにも広すぎた。今日のプログラムは柔軟性が増し、パターン認識のプロセスもより正確になった。
人気のコンテンツフィルタリング開発会社は、サイトを訪れて適切性を評価する。もし審査をパスすれば、そのサイトは条件に合うサイトのリスト集に登録される。親や教師は、このリストをダウンロードして自分で編集できる。
だが、フィルタリング技術の躍進は新たな懸念も生みだしている。ソフトウェアの機能が向上すると、政治家、保護者、そしてデベロッパーが、表現の自由と適切な社会管理とのバランスを模索しはじめたのだ。
フィルタリング・プログラムの多くが採用する標準技術を開発したElectronic Frontier Foundationの設立者John Perry Barlow氏は、「当初の意図は、家族に選択肢を提供し、議会の行動を制するものだった」と語る。
同氏が開発した「Platform for Internet Content Selection」(PICS)技術は、親や教師などがインターネット上の特定の情報へのアクセスに制限を加えることができる技術だ。
「われわれは検閲を阻止しようとしていたのであって、検閲用のツールを作り出そうとしていたわけではない」とBarlow氏。PICSは企業が社員に仕事に集中させるために使うことを意図したものではなかったのだ。「大人である従業員を子どものように扱うことには不快なものがある」(Barlow氏)
それでも、企業は支配力を望むもの。無駄になる時間やリソースはさておき、管理しようという意思は変わらない。社員が不快なものを部外者の画面に表示するような事体が起これば、その会社は高くつくセクハラ訴訟に巻き込まれてしまうからだ。
ボルチモア・テクノロジーズのシニアプロダクトマネジャー、Ken Sokol氏は、企業側は、たとえ単なるウイルスコントロールのためであっても、慎重に従業員の電子メールやWebアクセスといった動作を確認すべきだと主張する。だが、進展は見られるものの、スクリーニング・ソフトウェアは使いやすい確実な技術とはほど遠いのが現状だ。「ソフトウェアをごまかす方法はいくらでもあるが、われわれはコントロールする力を人々に提供することができる」(Sokol氏)
SurfControlの教育市場担当副社長、Susan Getgood氏は、「ほとんどのフィルタリング・ソフトウェアは、子どもが偶然、間違った場所を訪れてしまうのを防ぐためのものだ。これと同じことで、“プレイボーイ”誌を入手したいと強く望んでいる15才の子どもを阻止することはできないのだ」と語る。
子ども用フィルタリングプログラムの大半は、ベンダーが開発したレイティング(ランク付け)やレコメンデーションン(勧告)の2つのリストによって機能し、不適切だと思われるサイトへのアクセスを制限するものだ。
弁護士で「The Parents Guide to Protecting Your Children in Cyberspace」(サイバースペースで自分の子どもを守る両親のためのガイド)の著者でもある、Parry Aftab氏は、「お墨付きのようなものを開発して、子どもが安心して訪れることのできる安全な場所を提供することがその概念」と語る。
ボルチモアの「WEBsweeper」のような法人向けプログラムは、否定リストを使って機能するが、“属性を逆にして”特定のサイトを排除することも可能だ。
フィルタリング・ソフトウェア・ベンダーは、こういった機能があらゆるタイプの検閲や憲法修正第一条の権利侵害を示すという懸念が持ちあがることを見越している。
Getgood氏は今月、National Research Councilのミーティングの席でインターネット・フィルタリング・ツールを勉強するプロセスの一環として証言をしている。「フィルターとは選択肢を提供するもの。指図することは解決にはならない。政治家は、自分たちが想像する機能ではなく、実際の機能によって技術を判断するべきだ」(Getgood氏)
[英文記事]
Internet
Content Filtering Comes Of Age
[関連リンク]
ボルチモア・テクノロジース
SurfControl(英語)
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