勢いづくXMLデータベース

2001/5/10
Monday, May 7, 2001, 9:58 AM ET. ,By L. Scott Tillett, InternetWeek

 企業が企業間でビジネスを行う際の共通の言語としてXMLに救いを求め、各組織がますます多くのコンテンツをXMLを使って公開しつつある。そんな中、ITの現場ではコンテンツの管理に専用のXMLデータベースを利用すべく準備が進められているようだ。

 この市場を狙うベンダーも増えつつある。XMLコンテンツ用のリポジトリを掲げて今週立ち上がるXMLデータベースデベロッパーのIpedoは、ここ数カ月の間に登場したB-BopIxia、およびX-Hiveといった多数のベンダーの1社に加わることになる。

 一方、歴史の長いSoftware AGでは、ネイティブのXMLデータベース製品を1999年から販売している。

 ITサービス会社のProLogicは、国防省のプロジェクトに向けてコンテンツを管理すべくIpedoのXML Databaseのテストを開始した。

 このプロジェクトはヘリコプターの修理マニュアルなどの技術マニュアルのデジタル化にフォーカスしたものだ。インタラクティブ電子技術マニュアル(IETM)と呼ばれるこれらのマニュアルにより、航空機の修理に携わる修理技術者は、分厚いマニュアル本の代わりに、これよりやや薄いノートブックコンピュータを格納庫に持ち込めるようになる。

 これまで、特定の修理作業に必要なコンテンツは、部分ごとに異なるフォーマットで保存されてきたようだ。ヘリコプターのロータに関するデータシートがOracleデータベースに格納されているのに、着陸装置のデータはHTMLのファイルサーバ上にあったり、シートベルトの情報はPDFファイルで保管されていたりするのだ。すべての情報をブラウザで表示できるよう共通のフォーマットに変換すれば、修理作業の合理化につながり、すべてのコンテンツに同じ様にアクセスできるようになる。

 このXMLによるアプローチは、ProLogicと国防省が利用したSGML(Standard Generalized Markup Language)ベースの厄介なソリューションに取って代わる可能性がある。

 よく使用されるドキュメントをXMLデータベースに格納することで、必要なときにドキュメントをネイティブフォーマットから変換する必要性が減少する。この作業を実行するためには、通常はカスタムJavaScriptコードが必要だった。XMLデータベースはマイクロソフトやオラクルなどが作り出したリレーショナルデータベースの根本的な欠点を克服し、ユーザーを助けてくれるのだ。

 リレーショナルデータベースはデータを行と列で構造化するため、異なるデータレコード間の関係を表現することが難しい。ProLogicのアプリケーション開発ディレクター、Glenn Copen氏によると、XMLデータベースはデータを階層で構造化できるようにし、相互に関連するドキュメントをグループ化してくれるという。

 例えば、ファンのアセンブリを修正する過程ではファンベルトの交換がまず必要とされる、という形にしてくれる。

 XMLデータベースの支持者によると、リレーショナルデータベースは取引データの処理ではうまく機能するものの、前後関係を必要とするマルチレイヤーのプロセスに関するデータの場合、XMLデータベースのほうが優れているという。

 一方、XMLデータベースの欠点は、データベース管理者にとっての複雑性だ。

 Hurwitz Groupのアナリスト、Tyler McDaniel氏は、「2つの異なるデータベースを維持しなければならない。これではITスタッフの維持負担が増すだけだ」と語る。さらに、既存のリレーショナルデータベースから新しいXML版にデータをマッピングし、新しいビジネスルールを作成するという、いずれも面倒なプロセスも必要となる。

 そして、XMLデータベースには実績もない。McDaniel氏によると、リレーショナルデータベースは「実証済み」であり、「OracleとMicrosoftが消えることはない」という。

 IpedoとSoftware AGの製品の価格はいずれも5万ドルからという。

[英文記事]
XML Databases Gain Momentum

[関連リンク]
Idepo
B-Bop
Ixia
X-Hive
Software AG

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