ユーザーに厳しいライセンス変更を迫るマイクロソフト

2001/5/12
By Mitch Wagner, InternetWeek May 8, 2001(8:32 AM)

 PCの売り上げが低迷する中、米マイクロソフトは既存のカスタマーからライセンス料を絞り出すことによって収益を拡大しようと努力を続けている。

 同社は米国時間5月10日、法人向けライセンスプログラム「Enterprise Agreement」に、新しい法人向けライセンス体系を追加したことを発表した。これにより、これまでの永久ソフトウェアライセンス「Volume Licensing Program」に加え、新たに定期利用型のライセンス「Subscrption Licensing」が提供されることになる。

 また、以下の新サービスも発表した。

  • ソフトウェアのアップグレードを簡略化する「Software Assurence」をスタート。同サービスは、契約期間中、ライセンスを受けた個々のマシン、企業内のPC、サーバを対象に最新バージョンを提供するもの。
  • ライセンス管理ツールの提供。これにより、オンラインでのライセンス状況を管理できる。

 新体系は2001年10月1日よりスタートする。また、同社は、「Volume Licensing Program」でのPCの資格台数を500台から250台に変更することも発表した。価格については、80%の法人顧客は新体系により価格の影響を受けることはないと思われると発表している。

 これらの発表に際し、同社Worldwide Licensing and Pricingのバイス・プレジデントBill Henningsgaard氏は、「エンタープライズにフォーカスするため、ライセンスプログラムを変更する必要があった」とコメントしてる。


 マイクロソフトは昨年、.Net戦略の一環として、自社のライセンス形態を永久使用権から期間限定の定期利用権へと転換することを計画中であることを明らかにしていた。今回の発表は、同社がこのポリシーを、「Enterprise Agreement」の条件下でソフトウェアを使用するカスタマー、つまり最大のカスタマーである法人に対して導入するものといえる。業界関係者の間では、今後、同社は永久ソフトウェアライセンスを段階的に廃止し、定期利用ライセンスに移行を促すものと見られている。

 このポリシーの変更は、マイクロソフトが同社の既存のライセンス条件に対して厳しい措置を取るのと同じタイミングで行われた。マイクロソフトでは同社の法人向けソフトウェアライセンス条項を厳しく監視しており、今後さらに、監査を実施してソフトウェアライセンス条項に準拠しているかどうかを明らかにするよう各企業に対して求めているという。

 また、ライセンス違反取り締まりの一環として、同社では、PC製造業者がOSがプレインストールされていないシステムを探しているカスタマーの情報を届け出た場合、賞金を支払う。もしこの情報がライセンス違反につながった場合、マイクロソフトは届け出たPC製造業者に対し、時計、ホットプレート、ピクニックチェアといった商品と交換できるポイントを与えるという。

*この記事は一部編集しています。

[英文記事]
Microsoft Licensing Squeeze Continues

[関連リンク]
米マイクロソフトの発表資料

[関連記事]
.NETで問われるマイクロソフトの器量(Windows 2000 Insider)

Copyright(c) 2001 CMP Media LLC. All rights reserved

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)