MIS、街角で無線インターネットを実現する技術

2001/6/8

 モバイルインターネットサービスは、6月7日、モビリティとセキュリティを兼ね備えた無線インターネット技術を確立したと発表した。

MIS 真野浩代表取締役社長

 この無線インターネット技術を同社では「MIS方式の街角無線インターネット」と呼んでおり、IEEE 802.11bをベースに、高速移動中でもデータ通信がとぎれず安定して利用できるハンドオーバー性能(モビリティ)と、確実なユーザー認証(セキュリティ)を兼ね備えている。同社によれば、この技術を採用したのは世界初。また、フルIPによる接続のため、Webブラウジング、電子メールにとどまらず、インターネット上のすべてのアプリケーションの利用が可能となる。

 同無線アクセスポイントをコーヒーショップ、ファーストフード点などのホットスポットとして提供するほか、移動中でも利用可能なように電柱やビル壁への設置による面展開も想定している。

 ビジネスモデルとしては、あくまでも無線によるインターネットへのコネクティビティの提供だけに特化し、電子メールのアカウントの提供やコンテンツの提供などは行わない。バックボーンは有線ブロードネットワークスのFTTHや東京めたりっく通信のDSLなどを利用する。

IEEE 802.11bに対応した無線LANカード、同社製でなくてもドライバさえ入れれば使用は可能

 同社では、3月末より福岡にて基礎実験を行い成功を収め、それを踏まえて商用サービスをにらんだ実証実験を、5月末から渋谷・三軒茶屋などでスタートした。また、6月下旬にはオフィスビルなどへ地域拡張を行うほか、無線LANカードや無線LANカードとノートPCもしくはPDAの組み合わせの機器貸与を含む無料モニターを公募する。すでにIEEE 802.11b対応の無線LANカードを持っている人向けには、認証機能を内蔵したドライバの無償提供も予定されている。

 サービスインの開始時期について真野社長は、「明日ではないが、来年ではない」と述べ、さらに料金については定額になる見込みで、「基地局の設置コストなどを確認するための実証実験でもあるので、ここでは具体的な料金は控えるが、家庭における通信費が4桁、それも限りなく5けたに近い4けたであることは高すぎると思っており、それらから推察して期待して欲しい」と語った。

 また、同種のサービスとしてすでにNTTとNTT東日本が渋谷付近でバイポータブルのトライアルを行っているが、これとの違いについては、

  1. バイポータブルでは5GHz帯を使っているのに対して、MIS方式では2.5GHz帯であること
  2. バイポータブルは屋内限定だが、MIS方式は屋外もOK
  3. バイポータブルは日本固有の方式を採用しているが、MIS方式では世界標準のプロトコルを利用している

などを挙げ、十分差別化ができると説明した。

[関連リンク]
モバイルインターネットサービスの発表資料
NTTのバイポータブル

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