どのような環境でもストレージ管理ができるとベリタスが強調
2001/6/14
ベリタスソフトウェアは6月13日と14日の2日間、ユーザーカンファレンス「VERITAS VISION 2001 JAPAN」を開催。このイベントは、米ベリタスソフトウェアが毎年開催している「VERITAS VISION」の日本版だが、会場にはインド、中国、韓国などのユーザーも来場し、事実上アジア太平洋地区のユーザーカンファレンスとなった。
米ベリタスソフトウェアの社長兼CEOのゲイリー・ブルーム氏 |
基調講演を行った米ベリタス社長兼CEOのゲイリー・ブルーム氏はまず、「わが社の1997年から2000年までの売上高は平均で64%伸び、2001年第1四半期の伸びは前年同期比で58%を記録した」と述べ、業績の不振が続く同業他社との違いを強調した。
ブルーム氏は、CRMやERP、ビジネス・インテリジェンス、ワイヤレス、オンラインでの音楽や映画配信など、インターネットビジネスで必要となるデータ量が増え続けている現状を説明した。そのうえでブルーム氏は、「情報へのアクセスは、24時間常に可能でなければならない」という。この情報へのアクセスができなくなった場合、現在のビジネスでどれほど経済的な損失が生じるかは、「先週ニューヨーク証券取引所で起きたシステムダウンの例を見ればわかるはずだ」とブルーム氏。つまり、情報の可用性の確保が重要なのだという。
データの可用性でベリタスが優れているのは、「最近ハードウェアベンダーもストレージ管理ソフトを提供しているが、それはしょせん彼ら(ハードウェアベンダー)が持つストレージだけのものであり、どのようなサーバ、ストレージでも管理できるのは、われわれのソフトウェアだけである」とブルーム氏。さらに異なるベンダーのサーバ、ストレージ、OS環境でも同じソフトウェアで管理できることから、データを管理する人員を削減することができる点をメリットとして強調した。
日本のマーケットでは、テクニカルサポート・エンジニアを中心に、日本法人の社員数を2001年中に80%以上増員する。次にブランドイメージの確立を行う。そのうえで日本をはじめアジア太平洋地区への投資を積極的に行い、現在同社の収入の30%に過ぎないインターナショナル部門の収入をさらに引き上げたいとし、今後アジア太平洋地区の重要度が増すという認識を示した。
■NECと日本オラクルとの提携の発表
基調講演が行われた同じ日に、NEC、ベリタス、それに日本オラクルがストレージソリューション分野で提携したことを発表した。
この提携では、NECのSAN対応ストレージ製品の「iStorage」、ベリタスのストレージ管理技術、オラクルのデータベース技術を相互に提供し、協力体制を築くというもの。
具体的な提携内容としては、次の3つを中心に行う。
- 異なるサーバプラットフォーム間での3社の製品の相互接続性の共同検証の実施連携
- 企業の基幹データベースに必要な無停止・高速バックアップ技術、ストレージの統合管理技術、クラスタによるデータ共用技術などの先端分野での協業
- マーケティング・サポート分野での連携作業
3社の提携により、SAN市場への足がかりを得たと述べたNECソリューションズ執行役員の小林一彦氏 |
NECソリューションズ 執行役員常務の小林一彦氏は、「今回の提携は、ストレージ、データベース、ストレージ管理ソフトの3つがすべてそろっている点に意味がある」と述べた。
NECはこれまで、独自のSAN製品を持っておらず、2000年にようやくiStorageを投入し、SAN市場に参入したばかり。EMCや日立へのキャッチアップについて質問を受けたNECの小林氏は、「当社のiStorageは性能では世界最高を誇るが、お客様の中にはソフトウェアが大丈夫かという声があったのは事実。今回の提携で、それに対する足がかりを得た」と語った。
日本オラクル代表取締役社長の新宅正明氏は、提携を世界レベルで行う予定があるのかという問いに、「とりあえず日本での成功がキーとなる」と述べ、NECに対する期待を表明した。
なお、今回の提携にはIP-SAN製品(IPを利用した次世代SAN製品)を共同で検討することが盛り込まれているが、具体的な仕様などについては触れないままであった。
(編集局 大内隆良)
[関連リンク]
NECの発表資料
日本オラクルの発表資料
ベリタスソフトウェア
[関連記事]
ベリタスソフトウェア、高可用性を実現する4製品を発表
(@ITNews)
「さらなる高可用性をめざす」ベリタスの企業戦略
(@ITNews)
SAN市場でEMCに挑むCompaq
(@INews/TechWeb)
ギガビット・イーサネットSAN対応RAIDシステム、ウィンドウ
(@ITNews)
EMCがSANと連携するNAS製品を発表
(@ITNews)
オラクルとNEC、共同でLinux用クラスタリング環境を提供
(@ITNews)
オラクル自身の変身、「“e”はefficiency(効率化)」
(@ITNews)
情報をお寄せください:
最新記事
|
|