米国のIT従事者の年間所得は約751万円、6%ダウン

2001/8/3
Monday, July 30, 2001, 10:18 AM ET. InternetWeek By Jade Boyd

 2001年度折り返し地点での米国のITプロフェッショナルの平均所得は、6%減少しているらしい。Web上で求人情報を提供しているTechiesドットコムの調査で明らかになった。

 この調査は、Techiesドットコムが同社に登録している全米9万3000社を対象に行ったもの。それによると、米国のITプロフェッショナルの年度半ば時点での平均推定年間所得は6万126ドル(約751万円)。これは今年の初めの平均推定年間所得額より4000ドル低い数値だ。

 「特に減少が激しかったのが、勤続年数が2年未満のITプロフェッショナル」と同社 コンテンツ副社長のシンシア・モルガン(Cynthia Morgan)氏。モルガン氏はさらに、「勤続年数が長くなるほど給与は上がるということを示唆する結果となった。つまり、職を転々としている人は、所得の面では待遇が悪くなってきている」と続ける。「これは1年前と比べると大きな変化」(モルガン氏)。

 同調査ではまた、企業は従業員の給与を減らすより、新規雇用者を低い給与で雇う傾向が強いということも明らかになった。

 特に減少幅が大きかったのがITに従事して日が浅いエントリ・レベルのITプロフェッショナルだが、これはある程度予測がつく結果だ。だが、モルガン氏によれば、経験年数が10年以上のITプロフェッショナルでも大幅な減少が見られるという。こういった傾向は、同社以外の8種類のIT職業に対する調査結果でも裏付けられている。マネージャ級のITプロフェッショナルの平均所得の減少は14%、6万3376ドルに達するという。

 「中間管理職はすでにレイ・オフにより打撃を被っている。企業は今度は、高くつく管理職の人員を削減し、ビジネスの維持に必要なスキルを保持しようとしている」とモルガン氏。「C++プログラマーなどの技術者をとどめて、技術者を管理する人員を削減するという策だ」(モルガン氏)。

 同調査では、プロジェクト・マネジメント関連、JavaやHTMLプログラミングなどの新しい製品の開発関連は比較的需要が低くなっていることが明らかになった。これは企業がシステム拡張から既存のIT投資から投資効果を得ることにフォーカスを移したことが原因だとモルガン氏は見ている。

 また同社では、コアのITスキルとして、C++とネットワークに関する知識の需要が高いという調査結果も発表している。

 ちなみに、7月に前月の米国の失業率を発表した米労働省は、ハイテク関連の開発とマネジメント・サービスで求人が増えたことを指摘している。労働省によれば、製造業では求人数が落ち込んだが、ハイテク関連の開発とマネジメント・サービスの求人数は前年比3.2%アップ、データ処理サービスでは同0.5%アップとなったという。

*この記事は一部編集しています。

[英文記事]
IT Salaries Down 6 Percent In 2001

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