Googleが新ユーザ・インターフェイスでパワーアップ

2001/10/30

 検索エンジンの大手、米Googleは、日本語サイトのユーザー・インターフェイスのリニューアルと、日本語ツールバーの正式提供を発表した。10月29日、来日中の同社CTO クレイグ・シルバースタイン(Craig Silverstein)氏が新しい機能および同社の戦略について説明した。

新しくなったインターフェイス

イメージ検索結果の表示画面(クリックで拡大)

 Google日本語サイトの新インターフェイスは、“タブ付きインターフェイス”と呼ばれるもので、「ウェブ全体」「イメージ」「グループ」「ディレクトリ」の4つのタブを組み込んだもの。英語版ではすでにおなじみのものが日本語でも提供されることになった。4つのタブは、検索結果とともに同一の画面上に常に表示されているため、再入力することなく、カテゴリを変えて同じキーワードをサーチすることができる。

 新インターフェイスで新たにサポートされるのが画像ファイル。JPEGとGIFの2種類のフォーマットに対応するほか、ファイルサイズ、カラー/モノクロを指定することも可能。サポートするファイル数は、3億2000万ファイル、このうちの2000万ファイルが日本語を含むファイルという。検索結果の中から特定のファイルを指定してクリックすると、上段に画像を、下段にテキストを含む画像ファイル全体を表示する上下2段のフレーム構成をとる。このイメージ検索機能はベータ版として提供される。

ツールバーが正式に提供

 ツールバーは、Webブラウザに組み込むことによりGoogleでの検索が可能となる機能で、ベータ版は2カ月前から提供されていた。今回の発表で、ツールバーに含まれるキーワードをハイライトで表示する「ハイライト機能」や、重要性を示す「PageRankバー」といった機能が正式に提供されることになった。

使いやすい検索エンジンを目指して

シルバースタイン氏 週1回、パンを焼き社員に配っているという同氏はGoogle社員第1号でもある。創立者の2人と同様、現在スタンフォード大を休学中

 設立3年目にして、正確さと高速性で確実にファンをつかみ、最大級かつナンバー1の検索エンジン(米Jupitar Media Metrixほか複数の調査会社)となった同社は、現在1日に1億2000万件の検索にこたえている。厳しい経済環境が続く中、財務状況は「極めて良好」(シルバースタイン氏)。まだ公開企業ではないので詳しい数字は明らかにできないとしながら、「今年に入り黒字に転換、現在まで黒字を維持している」という。現在、収益の50%は広告から、残り50%は企業パートナーへの技術提供などから得ている。先日もNECとの提携をさらに拡大することを発表、BIGLOBEだけではなくNEC全サイトで同社の検索エンジンが採用されることとなった。同様の提携をソニーとも結んでおり、世界350以上のソニーのサイトで同社のエンジンが活躍している。同社はこういった提携を現在130社と結んでおり、今後も拡大していく方針だ。

 シルバースタイン氏は、技術面に関する取り組みにも触れた。同社のフォーカスは、使いやすい検索エンジンの追求。例えば英語版では提供されている「OneBox」などはその成果だという。この機能は、ある特定のキーワード検索の場合、トップに株価、地図、全米の電話帳などの情報ソースへのリンクを提供するもので、効率良い検索が可能となるという(日本語サイトでの提供は未定)。

 将来の技術としては、BMWと共同で開発中の「Google Voice Search」を紹介した。自動車システムで音声による検索を実現する技術で、将来的にはWebなど他のプラットフォームにも拡大されると思われる。

 もう1つの取り組みが、コンテンツのフォーマットとプラットフォームのサポートを広げること。コンテンツに関しては、近日中に、エクセルやワードなどのマイクロソフトのOfficeドキュメントフォーマットのサポートを発表することになっている。XMLに対しても、数が増加すればサポートする予定とした。プラットフォームに関しては、すでにiモードやPDAに対応済み、今後はインタラクティブTVなど、普及動向を見ながらサポートを拡充していく。

 半分以上が米国以外からのアクセスという同社、日本語は英語、独語に次ぎ3番目によく用いられている言語という。日本市場を重要視する同社では、現在、日本法人設立を計画中で、今年中にも何らかの発表がありそうだ。ちなみに、米カリフォルニア州に本拠地を置く同社は現在、英国、独国に拠点を持つ。

(編集局 末岡洋子)

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