.NET戦略を推し進めるMS、Windows CE .NETを発表

2002/1/10

 米マイクロソフトは米国時間1月7日、組み込みシステム向けリアルタイムOSの最新版「Windows CE .NET」を発表した。新製品はWindows CE 3.0の後継にあたるもので、これまで“Talisker(コードネーム)”という名称で呼ばれてきた。米ラスベガスで開催中の「2002 International Consumer Electronic Show(CES)」の基調講演で、同社会長兼CSA(チーフ・ソフトウェア・アーキテクト)のビル・ゲイツ(Bill Gate)氏が発表した。

 Windows CE .NETは、Bluetoothや無線LAN規格のIEEE 802.11をサポートするほか、Internet Explorer 5.5、Windows Media 8、DirectX 8に対応し、Webブラウズ機能、マルチメディア機能を持つ。サポートするプロセッサは、x86、Xscale、ARM、MIPS、SHシリーズ。容量は200Kバイト程度で、携帯情報端末やセット・トップ・ボックス(STB)向けと位置付けられている。

 Windows CE .NETは同社の.NET戦略を支えるものでもあり、XMLを用いたWebサービス・アプリケーションの開発プラットフォームである「.NET Compact Framework」(テクノロジー・プレビュー版の段階)とともに.NET対応アプリケーション開発の基盤となる。

 同社では、同社の規定に基づき、Windows CE .NETの非商業目的でのソースコードの修正・再配布を許可する。同社が開示するソースコード量は前バージョンの3倍で、HTTP Webサーバ、Bluetooth、USB、メッセージ・キューイングなどが含まれる。

 Windows CE .NETツールは、当初は995ドルで提供される。Windows CE .NETツールの評価版、エミュレーション版を無償で提供する。また、トレーニングサービスも展開する予定という。

 「Windows CE .NETは次世代の組み込みプラットフォーム。開発者は、(マイクロソフトから提供される)プログラムやサービスを利用することにより、よりスピーディにWindows Poweredデバイスを市場に投入できる」とゲイツ氏は語っている。

 Windows CE .NETへのサポートを表明しているメーカーは15社以上ある。このうち携帯情報端末メーカーには、カシオ、日立製作所、韓国サイバーバンク、独ジーメンスなどがある。

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