IBMが統合戦略を強化、ビジネスプロセス統合の新ミドルウェア群
2002/6/12
日本アイ・ビー・エムは6月11日、企業内に分散したERPやCRMなどのビジネスアプリケーションと連携して、ビジネスプロセス統合を実現するミドルウェア製品群「IBM CrossWorlds(クロスワールズ)V4.1.1」を6月28日に出荷すると発表した。同製品は、IBMが2002年1月に買収したCrossWorlds Softwareの製品をWebSphereファミリーの技術と連携したもの。ロータス、チボリ、インフォミックス、そして今回のCrossWorlds Softwareなど、IBMのWebSphere Application Sever(WAS)環境は、合併・買収により急速に機能拡張を続けている。日本アイ・ビー・エム 理事 ソフトウェア事業部長の平井康文氏が「顧客の望むものはすべて提供していく」というように、WAS環境の充実に向けたIBMの合併・買収戦略は今後も続く見通しである。
クロスワールズは、ビジネスプロセスを統合し、管理機能を提供するミドルウェア製品群であり、(1)中核となるHUB製品「Inter Change Server(ICS)」と(2)モデリング、ビジネス・オブジェクト生成、トレーサー、システム監視などを行うツール群、(3)パッケージ・アプリケーションやメインフレームのアプリケーションに対応したコネクタ群で構成される。
同社では、システム連携用のミドルウェアとして、すでにメッセージング・ミドルウェア「WebSphere MQ」シリーズを提供している。しかし、WebSphere MQが各アプリケーション間をそれぞれ個々につなぎ、システム連携を行うのに対し、クロスワールズは各パッケージ・ソフトに対応したコネクタと業務プロセス・テンプレートを活用し、ビジネスプロセス統合を可能にする点で差別化を図っている。
価格は、「IBM CrossWorlds INTERCHANGE SERVER PER VALUE UNIT」(2バリュー・ユニット分)が2320万3200円(税別)、「IBM
CrossWorlds FULL TOOLSET PER USER」(1同時使用ユーザー分)が527万3500円(税別)。
販売は、デロイト トーマツ コンサルティング、シーアイエス、ジェンシス コンサルティング、CSK、ジェー・アイ・シー・シー、日立ソフトウェアエンジニアリング、コベルコシステムが行う。
日本アイ・ビー・エム ソフトウェア事業部 e-ビジネス ソフトウェア事業推進 ビジネス開発担当 部長 酒井秀雄氏は、クロスワールズの提供先について「パッケージ・アプリケーションを戦略的に導入している大企業や通信、石油、科学、製造、保険などビジネス・プロセスの標準化が進んでいる業界が最適」と話した。
(編集局 谷古宇浩司)
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