Ultriumのテープ・カートリッジ出荷数が200万巻突破

2002/6/26

 ヒューレット・パッカード(HP)、IBM、シーゲート・リムーバブル・ストレージ・ソリューションズの3社は6月25日、Ultriumテープ・データ・フォーマット・カートリッジが2000年9月から2002年2月までで、累計200万巻の出荷数に達したと発表した。

 第1世代のUltriumフォーマット・データ・カートリッジは圧縮時で1カートリッジ当たり200GBの容量を持つ。初めて市販された2000年9月以降の累計出荷数が200万巻に達したことは、400PB(ペタバイト)近い容量のカートリッジの出荷を意味する。 

 この数字は1995年に全世界で印刷された文書の総数を超える膨大な量である。米IDCによると、全世界の企業ニーズに対応するためのストレージの容量が2003年には160万TB(テラバイト)になると予測している。なお、2002年3月に米ガートナーグループ データクエスト部門が発表した調査結果によると、テープ・ストレージのフォーマット普及率でUltriumは69%であり、競合フォーマットであるスーパーDLTの31%を大きく上回った。

HP LTOビジネス・マネージャ
ステファン・ホームズ
(Stephen Holmes)氏

 Ultriumフォーマットは、HP、IBM、シーゲートの3社によって開発されたオープンなテープ仕様であるLTO(Linear Tape Open)テクノロジに基づくテープ・フォーマットである。シングル・リール・メディアを使用しており、現在2つの世代がある。フォーマットの容量は第1世代が200GB(圧縮比2:1)。第2世代で400GB(圧縮比2:1)に拡張した。世代のロードマップは現在、第4世代まで公開している(下記表参照)。

 来日したHPのLTOビジネス・マネージャ ステファン・ホームズ(Stephen Holmes)氏は、「各世代は約18ヵ月間で更新するサイクルを想定している」と話す。
 

第1世代 第2世代 第3世代 第4世代
容量
(圧縮時)
100GB
(200GB)
200GB
(400GB)
400GB
(800GB)
800GB
(1.6TB)
データ転送
(圧縮時)
10-20MB/s
(20-40MB/s)
20-40MB/s
(40-80MB/s)
40-80MB/s
(80-160MB/s)
80-160MB/s
(160-320MB/s)
メディア メタル・パーティクル メタル・パーティクル メタル・パーティクル 薄膜
 
  第2世代の製品が市場に出荷される(ライセンスは供給開始済み)のは2003年の第1四半期頃とみられており、第3世代のライセンス供給が開始されるのは2005年7月ころの予定である。


(編集局 谷古宇浩司)


[関連リンク]
IBM
ヒューレット・パッカード
シーゲート・リムーバブル・ストレージ・ソリューションズ
LTO

[関連記事]
ATLがエンタープライズ向け大容量テープ・ライブラリ装置を発売 (@ITNews)
ディスクでテープをエミュレートするバックアップの新手法 (@ITNews)
HP、同人数で10倍のストレージ管理を実現する「FSAM」 (@ITNews)
IBM、iSCSI規格をサポートした新ストレージ製品を発表 (@ITNews)
アダプテックほか2社、Ultra320 SCSI製品化で協力 (@ITNews)
iSCSIなどIP‐SANに注目が集まる (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)