9月末にUnitedLinuxのベータ版登場

2002/8/16

 ビジネスユーザー向けLinux統一ディストリビューション開発を目指すUnitedLinux(カルデラ、コネクティバ、スーゼ、ターボリナックスの4社で設立)は8月14日、UnitedLinuxソフトウェアのパートナー向けベータ版を8月末にリリースすると発表した。パブリックベータ版は9月末にリリースする予定。

 UnitedLinux4社は、UnitedLinuxソフトウェアに各社独自の付加価値とサービスを組み込合わせてパッケージ化し、独自のブランド名で販売する。これにより、IHV(ハードウェアベンダー)およびISV(ソフトウェアベンダー)が、複数の Linuxディストリビューションでの動作検証にかけていた経費と時間を大幅に削減できる。

 UnitedLinuxソフトウェアは、Linux標準規格「Linux Standard Base(LSB)」や商用UNIXが実現している国際化機能を元に作られた仕様「Li18nux」に対応し、英語、日本語、簡体中文、繁体中文、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、イタリア語、ドイツ語、フランス語、ハンガリー語をサポートする。4社の契約リセラー約1万6000社の販売網を通じて全世界に提供される。

 Linuxディストリビューションの覇権を巡るUnitedLinuxの動きは発表当初、Linux業界に大きなインパクトを与えた。だが一方で、標準化への対応それ自体は目新しいものではなく、また技術的な新機軸もみえないという批判も浴びた。さらに、UnitedLinuxが、すでにデファクトスタンダード化しつつあるRed Hat Linuxに対して、いかにIHVやISVの支持を取り付けるかという施策の点で具体性を欠いていた面もあった。

 とはいえ、さまざまなディストリビューションの混在する状況から、Red HatとUnitedLinuxという2つのディストリビューションの競争へと状況が大きく変化することは事実だろう。今回のベータ版リリースはその始まりとなるはずである。

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