サンがエッジコンピューティング市場を狙うわけ
2002/8/20
左から、Executive Vice President、Marketing and Business Development Chief Strategy Officerのマーク・トリバー(Mark Tolliver)氏、理事、製品・サービス事業統括本部 本部長 ジェームズ・ホワイトモア(James Whitemore)氏、Cobalt&Linux製品事業本部 本部長の北島弘氏 |
Cobaltシリーズが、利便性を重視するためにWebベースのインターフェイスを重視する一方で、OSとして搭載してきたRedHat Linuxの存在を意図的に隠す製品設計を行っていたのに対し、Sun LX50では、システムインテグレータが独自にアプリケーションをポーティングすることが容易にできる仕様に変更、汎用Linuxサーバとしての体裁を整えた。Sun LX50に搭載される「Sun Linux5.0」は、RedHat Linuxをベースにサンが手を加え、Cobaltシリーズに搭載してきたSun Linux4.0を拡張したものである。
ターゲット市場はCobaltシリーズと同様で、エッジコンピューティング市場、すなわち、電子メールやWebサーバ、分散処理による科学技術演算分野、アプリケーション開発、教育・公共市場となる。米サン・マイクロシステムズのExecutive Vice President、Marketing and Business Development Chief Strategy Officerのマーク・トリバー(Mark Tolliver)氏は、これらエッジコンピューティング市場について、「エッジコンピューティング市場は、Webサーバ、ファイアウォール/VPN、電子メールなど企業のフロントエンドにあたる。この市場をおさえることは、企業におけるITシステム全体のカバーを目指すサンにとって重要課題」とその重要性を説く。実際、サンにはエッジコンピューティング市場で最適なコストパフォーマンスを発揮すると言われる32ビットサーバのラインアップを持っていなかった。今回、Sun LX50をラインアップに加えることで、トリバー氏の言う「企業のITシステム全体をカバーする」体制を整えたことになる。しかも、システムインテグレータが自社のアプリケーションを組み込んで販売できる汎用型は、まさにサンが望む製品ラインアップだったといえるだろう。
Sun ONEとエッジコンピューティング市場の相関関係(クリックすると拡大します) |
サン・マイクロシステムズ Cobalt&Linux製品事業本部 本部長の北島弘氏は「メーカー系パートナーに扱ってもらうのは難しいと感じている。実際にはハードに依存しないシステムインテグレータに頼ることになるだろう。できればこの市場を全部サンのものにしたい」とその胸中をのぞかせた。
サンとしては、案件の足がかりとなる可能性の高いエッジコンピューティング市場を皮切りに、ストレージ、メインフレーム系へと同社システムの導入を加速させたいところだろう。これはつまり、同社が定義する「S1」(ストレージ)、「H1」(Web系)、「V1」(メインフレーム系)市場の支配を意味する。
(編集局 谷古宇浩司)
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サン・マイクロシステムズの発表資料
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