Acrobatを補完する電子フォームソリューション
2002/8/21
買収によりアドビに移籍したマーケティング部 ePaperソリューション グループ フィールド プロダクト マネージャーの小島英揮氏。「電子政府や金融、製造業など幅広い業種へ売り込みたい」とエンタープライズ市場への期待を述べた |
アドビ システムズは4月に買収を完了したアクセリオの製品と統合した新しい電子申請システム「アドビ アクセリオ ソリューション」の詳細を発表した。同ソリューションは、XMLを活用し、電子申請から企業内での処理といった流れを効率化させたのが特徴。企業や行政の本格的な電子化をにらみ、コンサルティングも含めて事業展開を図る。行政文書などで広く使われている「Adobe
Acrobat」との連携も強めていくという。
アドビ アクセリオ ソリューションは、ユーザーによるWeb経由でのサービス申し込み、企業内での登録、関係部署への連絡、保存といった、これまで紙の文書を中心に行ってきた業務を電子化するシステム。ユーザーが入力する電子フォームの設計ができ、入力されたデータの受け付け、審査、決済という企業内業務を自動化する。XMLを活用することで企業内で決められた帳票フォームにデータを加工し、データベースやERP、CRMと連携して使うことができる。サービスを提供する企業にとっては、ユーザーが入力したデータを目的別に自由に加工することができるようになり、帳票プログラムの開発数の削減につながる。
アドビ アクセリオは電子フォームをデザイン、運用する「Adobe Accelio Capture」、データ処理のプロセスを設定する「Adobe
Accelio Integrate」、処理したデータを決められた帳票フォームにしてプリントしたり、電子メールとして送信、XMLデータに加工する「Adobe
Accelio Present」の3つのパッケージで構成される。それぞれ、デザインツールとサーバ製品がある。SAPの「mySAP.com」、オラクルの「Oracle
E-Business Suite」向けに自動的に最適なフォームにデータを加工するパッケージも用意する。
アドビが普及を図っている「Adobe Acrobat」とアドビ アクセリオは補完的な関係となる。アドビ アクセリオがユーザーが入力したデータを自動でXMLデータに加工して処理するのに対して、「Adobe
Acrobat」はデータを文書化して企業内で閲覧するなどコラボレーションに利用することになる。
買収によってアクセリオジャパンから移籍したアドビのマーケティング部 ePaperソリューション グループ フィールド プロダクト マネージャーの小島英揮氏は、アドビ
アクセリオについて「業務と電子フォームは密接に結びついている。XMLが重要なファクターで、組織やシステムを超えてビジネスプロセスの連携を可能にする」とメリットを強調した。
アドビはSIなどと協力して、アドビ アクセリオをすでに販売中だ。アドビ アクセリオの活用には、導入企業の業務形態に合わせてシステムを構築するコンサルティング事業が必要となるが、当面は旧アクセリオでチューニングやコンサルティングを行っていたスタッフが担当し、将来的には人員を増強していく考えだ。
[関連リンク]
アドビ
システムズ
アクセリオ買収の発表資料
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