従業員のWebアクセスでの生産性低下、ウェブセンスが解決策

2002/9/19

米ウェブセンスのChairman&CEO ジョン・キャリントン氏

 企業向けに従業員のアクセス管理システム「Websense Enterprise」を販売するウェブセンス・ジャパンは、従業員が業務に関係のないWebサイトへアクセスすることで、年間1兆7700億円の損害を日本企業が受けているとの報告を発表した。米ウェブセンスのChairman&CEO ジョン・キャリントン(John B. Carrington)氏は、「Webサイトへのアクセスにより、日本全体の生産性が低下している」と警告する。そのうえで、解決するには、従業員用のアクセス管理システムが必要との考えを示した。

 年間1兆7700億円の損害の根拠だが、日本労働機構の調査から、従業員1人当たりの時給を2219円として、年間50週間働くと設定。また、インターネットを使用している従業員が日本に1590万人(ガートナーグループ調べ)いることから、私用のネット利用を週1時間とすると1兆7700億円になるという。

 Websense Enterpriseは、従業員が業務に関係ないWebサイトにアクセスしようとしても、それをブロックして表示させないようにするシステム。今回損害額を発表したのは、インターネットの私的利用によって企業が受ける具体的な金額を発表することで、企業に危機感を与えて、アクセス管理システムの導入動機の掘り起こしにつなげることが目的だ。

 ウェブセンスが販売するWebsense Enterpriseの特徴は、URLフィルタリングによって単にWebサイトをブロックするだけでなく、ユーザーごとにきめ細かく、インターネットの利用ルールを定められる点にある。ウェブセンスが日々更新する360万サイト以上のデータベースを基に、一般的には不適切と思われるWebサイトでも、業務に関係がある場合は表示させたり、「1日30分間だけオンラインバンキングの利用を許可する」などの設定が可能だ。つまり、サイトアクセスを一律で禁止するのではなく、必要なWebサイトには必要な時間だけアクセスできるようにして、従業員の生産性を高める。

 ウェブセンスは、レポートやWebサイトの表示を日本語化したWebsense Enterpriseの新バージョン「Websense Enterprise v4.4.1」を10月に発売する予定。ウェブセンス・ジャパンの代表取締役 楠浩一氏は、「1000人の従業員がいる企業の場合、時給を2500円と計算すると従業員のサイトアクセスで年間1億2000万円の損害を受けていることになる。一方、ウェブセンスの年間使用料は230万円だ」と述べ、「1週間以内で投資を100%回収できる」と投資対効果の高さをアピールした。

 従業員のWebサイトへのアクセスを管理するのは企業にとって重要かもしれないが、技術的にWebサイト閲覧を禁止するだけでは従業員の創造性を阻害してしまう可能性があり、労使間での不信感にもつながる。それを防ぐ重要な点は、あらかじめWebアクセスをするうえでのポリシー作りにあるのかもしれない。

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ウェブセンス・ジャパン

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