絶好調のシマンテック、企業向けソリューション事業を大幅強化

2002/10/19

 シマンテックはIDS(不正侵入検知)についてのセミナーを開催し、従来のIDS製品の機能を組み合わせた新製品を発売する方針を明らかにした。シマンテック製品のセキュリティ製品を統合して管理できる統合コンソールツールや、IDS機能を組み込んだアプライアンス製品の発売も予定している。企業のセキュリティ意識の向上にあわせて、IDS製品の層を厚くする方針だ。

 IDS製品には一般的に、不正アクセスのパケットパターンを登録しておいて、パターンに合致する攻撃があった際に検知する技術や、通常のトラフィックのパケットパターンを登録しておいて、不正アクセスなど通常のトラフィックから大きく外れるトラフィックがあった際に検知する技術が利用されている。これらはネットワーク監視型IDSと呼ばれている。

 また、ネットワーク監視型とは別に不正アクセスで検出されるOSやアプリケーションのログパターンを登録して、運用しているOSやネットワークのアプリケーションのログと比較して検知するホスト監視型と呼ばれるIDSがある。

 シマンテックはこれらの技術に対応したIDS製品を販売しているが、不正アクセスでないのに不正アクセスと検知してしまったり、ネットワークが高速化することでパケットの監視が追いつかなくなるなど課題もある。シマンテックが発売を予定しているのは、ネットワーク監視型とホスト監視型の技術を組み合わせた複合型のIDS製品。ネットワーク監視型、ホスト監視型の課題をそれぞれが補完できるという。新製品は開発を続けている段階で、発売時期は未定。同じく発売時期は未定だが、シマンテックではネットワーク監視型IDS機能を組み込んだアプライアンス機器も発売する。既存のシステムに対してハードウェアを導入するだけで、IDSを利用できるようになる。

 シマンテックではこれらのセキュリティ製品を一括して監視、コントロールできるコンソール製品「SSMS(Symantec Security Management System)Repository&Common Console」を11月にも国内で発表する。IDSのほかに、シマンテックのファイアウォール製品やアンチウイルス製品を管理することができるツール。機能は限られるが専用のインターフェイスを導入することで、インターネット セキュリティ システムズ(ISS)やチボリのセキュリティ製品を管理することも可能になるという。

シマンテックのシマンテック・セキュリティ・サービス事業部 コンサルティング部 主席セキュリティコンサルタントの松田義巳氏

 セミナーで講師を務めたシマンテックのシマンテック・セキュリティ・サービス事業部 コンサルティング部 主席セキュリティコンサルタントの松田義巳氏は、企業のネットワークセキュリティについて「システムと、運用、管理のプロセス、人に対するセキュリティ対策をバランスよくやっていくことが重要」とアドバイス。「セキュリティ対策に終わりはない」と述べた。

 シマンテックは米本社が第2四半期決算で、34%の増収になるなど絶好調。特に企業向けは好調で、前年同期に比べて、売り上げは30%増となっている。日本法人は全体で売り上げが前年同期比51%増と大きく成長した。シマンテックは今後、企業のセキュリティを総合して請け負うアウトソーシング事業も近く国内で始める予定。IDS製品を強化するとともに、アウトソーシング事業を始めて、企業向けの情報セキュリティで影響度を増大させる考えだ。

(垣内郁栄)

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