C&Cが復活、NECの新世代ネットワークサーバ
2002/12/4
NECはVoIP機能を搭載し、社内でIP電話が利用できるようにするネットワークサーバ「iExpress5800シリーズ」を販売すると発表した。ルータやADSLモデムなどのネットワーク機能と、ファイアウォール、電子メールサーバ、Webサーバなどの機能を備えて、それらを同時に利用できるのが特徴。
NECソリューションズのカンパニー副社長 小林一彦氏。「環境設定ツールを用意して、勉強しなくても利用できるようにする」と述べた |
iExpress5800シリーズはコンピュータを開発してきたNECソリューションズと、通信ネットワーク機器を担当してきたNECネットワークスが共同で開発。NECソリューションズのカンパニー副社長 小林一彦氏は「通信とコンピュータのテクノロジを融合させた製品を実現できるのはNECだけ」と、製品に自信を見せた。
VoIP機能は、外部へダイヤルするSIPサーバや外部からの一般電話を着信させるVoIPゲートウェイのサーバを搭載することで実現している。PBXを通じて外部と発着信が可能で、既存の電話の交換機と置き換えることが可能。通話は各クライアントPCにUSB接続の電話機を接続して行う。iExpress5800シリーズには、社内外とIP電話を使ってバーチャル会議ができる「リモート会議システム」のアプリケーションが標準で付属する。通話をしながらアプリケーションを共有したり、動画像の表示が可能。社内外の連絡先を登録でき、IP電話を発信できる電話帳のアプリケーションも付属する。
モバイルIP、モバイルVPN技術を採用し、固定のIPアドレスで、ほかの企業のネットワークや電話などの公衆ネットワークから社内LANにアクセス可能。社内で無線LANを構築するための認証(RADIUS)サーバも搭載する。NECによると、iExpress5800シリーズを導入し、データと音声を統合することで、企業は電話の中継回線の費用が削減できたり、社内のレイアウト変更による電話端末や交換機の移設費用を減らすことができる。運用コストは最大で3分の1に削減できるという。
iExpress5800シリーズはブレードサーバとラックサーバ/ユニットを組み合わせた構成。ブレードサーバでは、SIP機能や認証サーバ、無線LANのローミングサーバ、電子メールサーバ、Webサーバなどが利用できる。ファイアウォールやルータ、VoIPゲートウェイなどの機能はそれぞれラックサーバ/ユニットで提供される。
社内にIP電話サービスを利用できるようにするNECの「iExpress5800」のローエンドモデル |
製品モデルのラインアップは、フル機能を搭載し、1000人規模の大企業やホスティング事業者が対象のハイエンドモデル(4000万円)と、300人規模の大中企業向けで、VoIP機能と無線LANのローミング機能などが利用できるミドルレンジモデル(1200万円)、VoIPの基本機能があり、100人規模の中小企業をターゲットにするローエンドモデル(570万円)がある。各機能を提供するブレードやユニットは個別に購入して、iExpress5800に追加できる。NECでは3年間で3000台の販売を見込んでいる。
NECはNTTグループへの製品納入が多い“旧電電ファミリ”の1つ。NECはPBXを通じたIP電話の発着信など、NTTグループとのかかわりで蓄積した電話技術を生かし、iExpress5800を開発した。NECは「企業のIP電話利用は急増する」(小林氏)という認識で、コンピューティングと通信の融合を今後も進める考えだ。
(垣内郁栄)
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