[Interview]
Java環境下でSQLとXMLの橋渡しを実現する
2003/1/21
JDBCやODBCドライバなどのミドルウェアベンダとして知られるデータディレクトテクノロジーズは1月16日、リレーショナルデータベースのデータをXML文書形式で入出力できるミドルウェア「jXTransformer」の日本語版の発売を開始した。
同製品は、Oracle9i、DB2 UDB、SQL Server 2000、Sybase ASEなどの主要なデータベースのほとんどに接続可能。JDBCドライバ形式になっており、従来のSQL文の文法をそのまま使えるため、既存のJDBCを利用したことのある開発者ならすぐ使い始めることができる。
同社は、JDBCやODBCなどのミドルウェア市場をリードするベンダの1つ。新しくXML分野へ取り組んだことについて、マーケットインテリジェンス担当副社長兼主席エバンジェリストのブライアン・リード(Brian
C. Reed)氏に聞いた。
データディレクトテクノロジーズのマーケットインテリジェンス担当副社長兼主席エバンジェリストのブライアン・リード氏 |
――いままでSQL関連のミドルウェアを中心にリリースしてきた御社が、XML分野へ進出してきた。
リード氏 いまやXML文書形式は、Webサービスの普及に伴って企業で扱うデータの標準的なフォーマットとなりつつある。データベースのデータをXMLとして入出力する場面はこれから増えると確信している。jXTransformerは、SQLを拡張した文法で容易にXMLデータを入出力でき、更新もできる。企業にとって、開発期間の短縮や開発コストの削減といったメリットを提供できると考えている。
――すでに主要なデータベースでは、どの製品もXML機能をサポートしている。そこにXML対応のミドルウェアを出すことの利点は?
リード氏 確かに、DB2やOracleなどどの製品にもXML機能はある。しかし、その利用方法や機能は製品ごとに異なっており、開発者は製品ごとにXMLデータを取り出す方法、格納する方法をそれぞれ学ばなければならない。jXTransformerなら、まったく同じ方法でどのデータベースからもXML文書形式で入出力でき、更新もできる。そこが最大の利点だ。
――XQueryなど、XMLデータベースへのアクセスの標準化も進んでいく。
リード氏 jXTransformerはSQLを拡張したような形式の文法だが、現在これはANSIのSQL/XMLというドラフト仕様のものだ。また、W3CのXQueryにも当社のエンジニアが関わっており、標準化の推進には積極的にアプローチしている。ODBC、JDBCのときもそうだったが、標準化の前に実装として製品を出し、アーリーアダプターとして問題を解決していくことが大事だと考えている。
――複数のデータ形式に渡って相互運用性を実現するミドルウェア戦略には、IBMやBEAシステムズなど各社が取り組んでいる。
リード氏 それぞれの戦略はターゲットが異なると考えている。IBMのXeperantやOracleはデータベースセントリックなアプローチだ。BEAシステムズのリキッドデータは、アプリケーションサーバによるインフラストラクチャを中心としている。それぞれ、ある程度の規模で目的が合致するならいいアプローチだろう。一方、われわれの製品はコンポーネントであり、価格も安い。XMLとSQLの変換という目的もシンプルで開発者に使いやすい。
――今回の製品はJava環境用だが、.NETに対応する予定は?
リード氏 どこでもその質問を最初に聞かれる(笑)。Javaをまず出したのにはいくつかの理由がある。1つは、すでにJava環境では多くのシステムが構築され、ニーズがあるからだ。.NET環境はこれからであり、まだそれほど多くのシステムが組まれているわけではないため、市場の大きさに差がある。また、.NETは最初からXMLについて考慮されたアーキテクチャであるため、XML対応ミドルウェアの余地がJavaに比べて小さいという点もある。しかし、すでに米国では.NET対応のミドルウェアをリリースしており、日本でも発表する計画がある。
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