「DNAはItaniumが継承」、HPのAlphaサーバが最終段階に
2003/1/22
HPの「AlphaServer GS1280」 |
日本ヒューレット・パッカード(HP)は新しく開発した64bit Alphaプロセッサ「Alpha21364」(通称:EV7)を搭載したハイエンドUNIXサーバ「hp AlphaServer」(アルファサーバ)の新シリーズを、1月下旬から順次発売すると発表した。HPは2005年にもAlphaサーバの販売を終了する方針で、今回発表したEV7と、来年発表する予定の「EV79」が最後のAlphaプロセッサになる。
EV7はL2キャッシュや、メモリコントローラ、I/Oコントローラなどを「オンチップ」に実装したプロセッサ。既存プロセッサの5〜32倍のメモリバンド幅を実現しているといい、アプリケーション処理能力を飛躍的に向上させているという。
EV7を搭載するサーバは3シリーズが発売される。「AlphaServer GS1280」は2〜16個のEV7プロセッサを搭載。搭載できるプロセッサ数は2003年内に64CPUまで拡張する予定。メモリは最大64GBだが、2003年中に128GBを搭載できるようにする。発売は1月下旬で価格は2857万5000円から。「AlphaServer ES80」は最大8CPUをサポートするラックマウント型サーバで、メモリは最大32GB(2003年中に64GBまで拡張)を搭載する。3月に発売する予定で、価格は未定。最も低価格なのは「AlphaServer ES47」で、851万6000円から。2〜4CPUを搭載できるシリーズで、メモリは最大16GB(2003年中に32GBに拡張)を搭載できる。1月下旬に発売する。
HPのビジネスクリティカルシステム統括本部 サーバプロダクト本部 Alphaマーケティング部 部長 水谷辰彦氏は、EV7を搭載するAlphaサーバについて「搭載するCPU数に応じて、リニア(直線的)にパフォーマンスが向上するのが特徴」と説明。IBMの競合製品は16CPUまではパフォーマンスが順調に向上するが、それ以上だと伸び率が低下するという。さらに水谷氏は「他社製品に比べて2倍以上のパフォーマンスがある」と述べた。HPでは従来からAlphaサーバが支持されてきた研究開発分野を中心に売り込む考えで、前年比で20%増の台数を販売することを目標にしている。
HPのエンタプライズシステム事業 ビジネスクリティカルシステム統括本部 サーバプロダクト本部 本部長 松本芳武氏 |
Alphaプロセッサはコンパック(HPと昨年合併)が1998年に買収した旧ディジタルイクイップメント(DEC)が開発したプロセッサ。HPは、2005年以降はインテルとHPが共同開発した64bitプロセッサ、Itaniumシリーズにハイエンドサーバ製品のCPUを統一する。水谷氏によると、DECはEVシリーズのプロセッサとして「EV12まで計画していた」という。Itaniumの開発にはDECでAlphaプロセッサを開発したエンジニアも参加していたといい、Alphaプロセッサの技術はItaniumやPentiumに引き継がれている。Pentium 4プロセッサに搭載されているハイパー・スレッディング技術も、Alphaプロセッサの技術が生かされているという。
HPのエンタプライズシステム事業 ビジネスクリティカルシステム統括本部 サーバプロダクト本部 本部長 松本芳武氏は、「AlphaサーバのDNAは(Itanium搭載の)hp serversが継承する」と述べ、既存のAlphaサーバユーザーが問題なくItanium搭載サーバに移行できることを強調した。
(垣内郁栄)
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日本ヒューレット・パッカードの発表資料
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