市場が拡大するMPLS最新事情、シスコから
2003/2/26
シスコのプロダクトマーケティングマネージャ アザ・サイード(Azhar Sayeed)氏 |
シスコシステムズは2月25日、MPLSの最新市場/技術動向解説、それを支えるネットワークマネジメントソリューションを紹介する「シスコMPLS Summit」を開催した。
MPLS(Multi Protocol Label Switching)は「IP-VPN」や「広域イーサネット」といった長距離を高速で安価にネットワーク接続するサービスを実現する基盤技術として注目を集めている。シスコはタグ・スイッチングの時代からMPLSの開発を進めてきた。
「最新MPLS市場/技術動向のアップデート」と題したセミナーで、シスコのプロダクトマーケティングマネージャ アザ・サイード(Azhar Sayeed)氏は、北米、欧州におけるMPLSを利用したサービス動向や最新技術動向を紹介した。
日本での市場拡大はまだ先のMPLSだが、欧米やアジアではすでにサービスプロバイダと大企業のメトロイーサネットや部署別VPNで175社の導入実績があると報告した。
MPLSの市場拡大の原動力となっているものとしてサイード氏は、トラフィックバンドの拡張性やスケーラブルなVPN、IPv6網が構築できること、レイヤ3上のパケットを確保しながらフレームリレーやATMのレイヤ2向けサービスが同時に受けられること、ネットワークエンジニアリングが簡単なこと、コストが削減できることなどを挙げた。
最新技術動向としては、IETFに要求仕様を提出したMPLSネットワークヘルスチェックモニタへの取り組みを報告した。障害マネジメント、コンフィグレーション、アカウンティング、パフォーマンス、セキュリティのすべてのコンポーネントの問題を解決するMPLSネットワークの管理ツールは、マルチサービスを受け持つエッジルータが、より高い可用性を実現できるようになると述べた。
そのほか、MPLSのQoSの向上への取り組みとして、Stateful Switchoverflow(SSO)とNon-Stop Forwarding(NSF)について説明した。SSOはアクティブとスタンバイの2つのルーティングプロセッサを稼働させることで、障害時のスイッチ変換が行われている間はレイヤ2のセッション遮断を避け、NSFはパケットフォワーディングとルーティング制御を切り離して安定したルーティング処理を可能にさせるMPLSの構造だ。
このセミナーでシスコは、日本HPと協業してMPLSネットワーク運用に必要な機能を追加したソリューション「hp MPLS Solution for Cisco」の販売を3月1日より開始すると発表。IPネットワーク管理のhp OpenViewファミリーをベースに、Cisco Worksによるデバイス情報表示やトポロジ表示などのプロビジョニングなどのレイヤ2およびレイヤ3MPLSネットワーク運用管理を包括的にサポートする。
(編集局 富嶋典子)
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