サーバOSの適正価格とは? ターボリナックス
2004/10/6
ターボリナックス 代表取締役社長 矢野広一氏 |
ターボリナックスは10月5日、サーバ向けLinuxOSの新製品「Turbolinux 10 Server」を発表した。同製品は2002年10月にリリースした「Turbolinux 8 Server」の後継バージョン。カーネル2.6(現時点では2.6.8)を搭載した第2世代のLinuxサーバOSとして、ミッドレンジ領域をメインターゲットとしながらも、上位のハイエンド領域をもカバーする。代表取締役社長 矢野広一氏は「Turbolinux 10 Server」の特徴について「あえて1つ挙げるとすれば圧倒的なコストパフォーマンス」だとする。基本パッケージは前バージョンと同等の本体価格3万9800円を維持し、5年間の無償アップデートも保証している。
コストパフォーマンスという観点について、例えば5年間のサーバ運用コストを他社製品と比較すると、「Turbolinux 10 Server」の場合、5年間のメンテナンス(セキュリティアップデートなど)コストは本体価格3万9800円に含まれるが、他社のLinuxサーバOSのディストリビューションでは、2年目以降のメンテナンス保障は有償(10万円前後)となり、結果的に10倍程度のコスト差が生じる計算になる。同社の戦略は「サーバをインフラストラクチャ込みで30万円程度で構築でき、3年の償却期間を見込んで、年間10万円程度の経費で運用したい」とする中小規模企業のニーズをくみ取ることにある。同社が製品やサービスの“コストパフォーマンス”にこだわるのは、競合他社と差別化を図るためのこのようなマーケティング戦略による。同社ではこの3万9800円という価格を「市場が求める適正価格」とする。
カーネル2.6を搭載し、NPTL(Native Posix Threading Library)、Selectable I/0 Scheduler、CPUスケジューラの改良により基本パフォーマンス性能を強化している。また、SMPマシン(最大32CPU)やNUMA対応の実装、64GBメモリの対応、テラバイト超えのディスク容量対応など、大規模サーバを想定した対応を強化している。セキュリティ性能については、米国家安全保障局が開発したセキュアOS「SELinux(Security-Enhanced Linux)」を搭載、さらにトレンドマイクロの「ServerProtect for Linux」も収録するなど、ハイエンド領域での適用を想定した一連の機能強化を施している。
なお、カーネル2.4系のサーバOS「Turbolinux 8 Server」についてはサポート提供期間を2008年1月までに延長、今回発表した2.6系の「Turbolinux 10 Server」とともに併売していく予定。
(編集局 谷古宇浩司)
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ターボリナックスの発表資料
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