走行列車での無線LAN接続に成功、日本テレコム
2004/11/17
日本テレコム プロダクト統括本部 研究開発本部 情報通信研究所 部長の山崎吉春氏 |
日本テレコムは、北海道旅客鉄道(JR北海道)の千歳線で走行する車両「快速エアポート」において、無線LANの接続実験に成功したと11月16日に発表した。
日本テレコムは、島松〜長都駅間の約10kmの沿線上に、複数のIEEE 802.11gの無線LANアクセスポイントを平均1.7km間隔で設置した。アクセスポイントはそれぞれの無線の到達範囲が重なるように配置した。
車両内に無線LANアクセスポイントを取り付けて、沿線上のアクセスポイントとの接続を高速に切り替えることで通信を中継していく仕組み。実験ゾーンでの走行速度は時速120kmで、無線LANの伝送速度は8〜15Mbpsを維持した。
実験では、走行中の車内からの電子メール送受信やWebサイトアクセスのほか、IP電話の通話にも成功した。また、列車後部の運転室に設置したIPカメラの映像を線路脇からインターネットを経由して見る実験にも成功した。
今回の実験では、無線LANの到達範囲の切り替えを行う中継方式に、日本テレコムの独自方式を利用している。日本テレコム プロダクト統括本部 研究開発本部 情報通信研究所 部長の山崎吉春氏は、「日本テレコムのオリジナルの方式で、現在特許を出願中である」と述べた。
山崎氏は今後の目標として、「実験成果を基にJR、私鉄および地下鉄など各鉄道事業者向けにインターネット接続『ODN』や広域イーサネットサービス『Wide-Ether』など既存サービスと組み合わせて、乗務員や乗客向けの列車内ブロードバンドデータ通信サービスを提案していきたい」と語った。
日本テレコムは、高速移動体の無線中継方式の研究開発も平行して行っている。実験室では時速500kmを超える高速移動体で15Mbps以上のインターネット通信に成功。IEEE 802.11gの無線LAN仕様を利用しているため、2.4GHz帯のほか、5GHz帯にも対応可能だという。
(編集局 富嶋典子)
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日本テレコムの発表資料
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