映像コンテンツにCM挿入、BIGLOBEが広告メニューを体系化

2005/3/25

 NECは運営するインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)のBIGLOBEで、動画の映像コンテンツ中にコマーシャルなどの広告を挿入する企業向けのマーケティングサービスを4月1日に開始すると3月24日に発表した。映像コンテンツと広告を組み合わせる取り組みはこれまでも行ってきたが、広告メニューとして体系化した。

NECのBIGLOBE事業本部 執行役員 谷岸一善氏

 NECのBIGLOBE事業本部 執行役員 谷岸一善氏はBIGLOBE事業の2004年度を振り返り、「さまざまなサービスを展開したことで、売り上げに占める付加価値サービスの割合が48%になった」と説明した。2004年度はインターネット接続による収入が52%と過半を占めたが、「2005年度は付加価値サービスが半分を超える」(谷岸氏)とみている。その付加価値サービスの中核になると期待しているのが映像ポータル事業。谷岸氏は「インターネットで映像を見る視聴スタイルが拡大した。戦略事業の1つとして映像を切り口としたブロードバンド映像ポータルに注力したい」と述べた。

 広告付きの映像コンテンツを配信するのはBIGLOBEのポータルサイト内にある「BIGLOBEストリーム」。ニュースや天気予報、ドラマ、ショートムービーなど、すでに有料、無料の映像コンテンツを掲載している。用意する広告はスポットコマーシャル、番組スポンサー、映像コンテンツ内での商品登場(プロダクトプレイスメント)、コマーシャルよりも長い時間で商品を紹介するインフォマーシャルなど。バナー広告や電子メール広告などBIGLOBEの既存の広告メニューと組み合わせて、「ブロードバンド映像プロモーションパッケージ」としてパッケージ化する。

 また、広告主サイトへのリンクだけでなく、商品によってはBIGLOBE内のショッピングサイトへリンクするなど「クライアントのテーマに応じてトータルに広告を提供する」(NEC BIGLOBEビジネス事業部 統括マネージャー 下島健彦氏)。広告料金は、スポットコマーシャルの場合で1週間200万円(動画配信20万回以上)などとなっている。

 NECはコンシューマ向けの動画コンテンツの有料配信も本格化させる。映画やドラマ、音楽関係のコンテンツプロバイダーとの関係を強化し、オリジナルコンテンツを拡充。ショッピングサイトなどとの連携も拡大し、「有料コンテンツ販売を軸に複合的なビジネスモデルを展開する」(下島氏)としている。携帯電話への映像コンテンツの配信も近く始める。

 NECでは企業向け、コンシューマ向けの映像ポータル事業の強化で、2007年度に映像ポータル事業で200億円の売上達成を目指す。映像ポータル事業の売り上げのうち、6割は企業向けのマーケティングサービスからあげるとしている。

(@IT 垣内郁栄)

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NECの発表資料

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