「IDのハブになる」、オラクルがSOA対応のID管理製品出荷へ

2005/8/23

 日本オラクルは、米本社が3月に買収した米Oblixのアイデンティティ管理製品を国内で年内にも出荷することを検討し始めた。単体製品として出荷し、将来的にはオラクルのアイデンティティ管理製品「Oracle Identity Management」の機能コンポーネントとして統合する。日本オラクルのシステム事業統括 システム事業推進本部長 三澤智光氏は8月22日、「Oracle 10gだけでは満たせなかった他システムとの連携などの機能をOblixで埋める」と説明した。

 Oblix製品は「COREId」の機能名でOracle Identity Managementに追加される。狙うのはSOA環境でのシングルサインオンの実現だ。Oblix製品は「WebサービスとWebサービスをまたがってアイデンティティのセキュリティ管理が可能」(三澤氏)。Oracle Identity Managementで構築した既存のシングルサインオンやアクセスコントロール、アイデンティティの一元管理などの仕組みをSOA環境でも適用できる。

日本オラクル システム事業推進本部 営業推進部 担当シニアマネジャー 北野晴人氏

 既存のOracle Identity Managementで管理できるのはOracle製アプリケーションのアイデンティティ情報が中心。しかし、Oblix製品はIBM WebSphere、BEA WebLogicなど他社のアプリケーションサーバや、Microsoft Active Directoryなど他社のディレクトリサーバ、LDAPと連携することができる。Active Directoryのアイデンティティ情報を変更したら、Oracle Identity Managementのリポジトリにも反映されるなどアイデンティティ情報の配信(プロビジョニング)にも対応する。三澤氏は「Oblixが(アイデンティティ管理の)ハブになる」と述べた。

 オラクルにとってOracle Identity Managementは単なるシングルサインオンの製品ではなく、「ユーザー認証、アイデンティティ、権限などをアプリケーションに一元的に提供する共通のインフラストラクチャ」(日本オラクル システム事業推進本部 営業推進部 担当シニアマネジャー 北野晴人氏)。これまではOracleアプリケーションに対するインフラとの位置付けだったが、Oblix製品を追加することで「他社アプリケーションとの混在環境で、アイデンティティのライフサイクルを一元管理することが可能になる」(北野氏)としている。

(@IT 垣内郁栄)

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