「ミドルウェアの強さはSOAでの優位性」、IBM上級副社長
2005/10/27
米IBMのソフトウェアグループ上級副社長であるスティーブ・ミルズ(Steve Mills)氏は、すでに最大のミドルウェア提供ベンダとしての地位を確保していることが、今後拡大するSOA市場に向けたIBMの優位性の基盤になると語った。同氏は、10月26日に日本IBMが開催した「IBM SOA Summit Tokyo」で、報道関係者の質問に答えた。
IBMのソフトウェアグループ上級副社長、スティーブ・ミルズ氏 |
ミルズ氏は、IBMが現在進めているSOAの適用事例について、「われわれは6〜12カ月といった短期間で結果を出すようなプロジェクトにかかわっている。顧客のビジネスを分析して短期的に効果をもたらすことのできる部分を提示し、優先順位をつけてプロジェクトを推進する。SOAですべてが一度に解決できるわけではない。単一の大規模なプロジェクトではなく、小規模なプロジェクトを連続して実施するのが通常のパターンだ」と話した。
同氏は、世界で年間1兆ドルにも達するコストがシステムの統合や維持に費やされていると指摘、SOAを通じてこうしたコストの削減を提案することは、大きなビジネスのチャンスになるとし、ミドルウェアを豊富に提供していることが、IBMのSOAを支える柱になると語った。
「IBMのソフトウェア事業において、ミドルウェアは収益ベースで80%を占め、売り上げは年間120億ドルに達する。ミドルウェアや統合技術で40〜50%のシェアを持つ我々にとって、SOAへの展開は容易だ」
ミルズ氏は、SOA分野におけるIBMの具体的な優位性として、次の点を挙げた。
- 高度なトランザクション・プロセシング機能の実現
- 豊富なコネクタやアダプタ、ワークフロー・パターンの提供
- ビジネスプロセスのモデリングや検証のためのツールの提供
- ビジネスプロセス管理、アプリケーションやサーバの監視機能の提供
これらの分野で、ほかのベンダは対応製品を生み出すことに力を注いでいる段階だが、IBMはすでに製品を提供済みだとミルズ氏は強調した。
(@IT 三木泉)
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