BPELがすべてをつなげる、オラクルがISV製品でSOA検証
2005/10/29
日本オラクルは、ビジネスプロセス管理のミドルウェア「Oracle BPEL Process Manager」を使って複数のISV製品を連携させる検証を行ったと10月12日に発表し、10月28日に連携の成果を公開した。従来のAPIを使った連携と比較して初期開発コストや変更の際の作業を減らせるのが、BPELを使った連携の特徴。日本オラクルのグローバルアライアンス戦略本部 ISV推進部 ディレクター 遠藤哲氏は、「BPELを使うことでどの企業レベルでもプロセスとデータのモデリングが可能になり、SOAが実現できる」と説明し、「今回の検証はおそらく国内初の事例だ」と述べた。
日本オラクルのグローバルアライアンス戦略本部 ISV推進部 ディレクター 遠藤哲氏 |
検証に参加したのは、東洋ビジネスエンジニアリングのSCM系業務パッケージ「MCFrame」と、住商情報システムのERPパッケージ「ProActive E2」、エス・エス・ジェイのERPパッケージ「SuperStream」。それぞれ中堅企業向けの製品。
検証はMCFrameを中心に行った。購買申請に関する検証ではMCFrameとProActive E2を組み合わせた。まず、MCFrameの画面から購買申請を実施するとXMLデータがProActive E2に送信される。ProActive E2は受け取ったデータを基に承認ワークフローを実行。承認が得られたら、その情報をXMLデータにしてMCFrameに戻す。MCFrameは承認を確認し、発注/受入処理に入る。再度XMLデータがProActive E2に送信され、仕訳処理が実行される。
処理はリアルタイム、自動で行うことができる。BPELではなく、APIを使って連携させる場合は接続システムごとにハードコーディングを行ったり、バッチ転送、EAIシステムを使う必要があり、リアルタイム性や柔軟性が低くなっていたという。
また、MCFrameとSuperStreamを組み合わせる検証では、例外処理を実行させた。MCFrameで受注入力を行ったが、受注額が大きく取引先の与信を確認する必要があるケース。MCFrameは受注を保留し、SuperStreamが入金の消し込み作業を実行する。次いで与信枠の拡大と日次処理を行う。ここでデータがMCFrameに戻され、受注の保留を解除。在庫の引き当てが行われ、出荷処理を行う。
Oracle BPEL Process Managerではビジネスプロセスの設計に、開発環境の「Oracle BPEL Designer」を使う。Oracle BPEL Designerを使うことで、今回検証したアプリケーションの連携は「3〜4日くらいで簡単にできた」(日本オラクル)という。オラクルは今後もOracle BPEL Process ManagerとISV製品を連携させる検証を行って、30製品を認定製品の「BPEL Certified」にすることを目指す。
(@IT 垣内郁栄)
[関連リンク]
日本オラクルの発表資料(10月12日)
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