日本版SOX法と99%のスパムに対応できるアプライアンス
2005/11/10
英クリアスウィフトは11月9日、ウイルス対策やスパム対策、コンテンツフィルタリングなどを1つの筐体にまとめたセキュリティアプライアンス「MIMEsweeper SMTP Appliance」を発表した。11月30日より出荷を開始する予定だ。価格は500ユーザーまでの「CS500」が200万円台、「CS1000」が400万円台となる見込み。
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クリアスウィフト シニアプロダクトマネージャ アンディ・モリス氏 |
英クリアスウィフト シニアプロダクトマネージャ アンディ・モリス(Andy Morris)氏は、現在のセキュリティ環境を「電子メールやWebサーバなどを別々に導入し、それぞれ専任の管理者がいるのが普通だろう。これらをすべて一元管理しようとすると、管理者が自分の仕事を他人に渡したがらず、抵抗される可能性がある」と指摘。「当社では、これらの管理者の上に全体を監督する部門を置き、すべての社内インフラを統括できるレベルの高い管理部門を置くべきだと考えており、それを実現できる製品を今後提供する予定だ。日本でもコンプライアンスが厳しくなり、ポリシーベースのアプライアンスを利用することが重要となってくる」(モリス氏)と語り、今後のロードマップを示した。
MIMEsweeper SMTP Applianceは、独自Linuxを搭載したセキュリティアプライアンス製品。従来のソフトウェア版MIMEsweeperはWindowsベースだったが、特に日本ではLinuxベースの製品を求める声が大きく、製品化に踏み切ったという。特徴は、同社が得意とするコンテンツフィルタリングを搭載しているほか、ロシアのウイルス対策ベンダであるカスペルスキーのウイルス対策エンジンやまったく新しいスパム対策エンジンを搭載した点だ。モリス氏は「Linux OSはいわゆる“要塞化”したバージョンで、電子メールに特化し、そのほかの機能を削ぎ落としている。また、定義ファイルやソフトウェア、OSの更新もすべて全自動で15分おきにチェックしているため、かなりのセキュリティを保てるはずだ」と語り、自信を見せた。
スパム対策エンジンは、米国の有名なスパム対策研究家であるJohn Graham-Cumming氏の協力を得て開発した新しい「SpamLogic」エンジンを搭載。既知のリアルタイムブラックリスト参照や、ベイズ分析、ヒューリスティックススキャニング、テキスト分析など、複数のアプローチを採用して多層的に解析することで、99%の検出率(クリアスウィフト調べ)を達成したという。さらに、学習機能も搭載しているため、さらに検出率が上がる可能性もあるとした。
ウイルス対策とスパイウェア対策、フィッシング対策機能には、カスペルスキーのエンジンを搭載して対策する。また、コンテンツフィルタリング機能には、クリアスウィフトが10年以上提供しているソフトウェア版MIMEsweeperの技術をフィードバックしているという。管理はすべてWebベースで行い、モリス氏は「管理サイトはAJAXを用いて、使いやすさを最優先して作成した。デフォルトで基本的な設定がしてあるので、設置も1時間以内で終了するだろう。一応、コマンドラインも用意してあるが、本当のエキスパート以外は使えないようにしてある」と説明した。
クリアスウィフト 代表取締役 山本卓夢氏は、「日本には、Windowsベースの製品を導入できない企業が存在し、『Linuxならぜひ導入したい!』といっていた企業も多かったので、今回の製品でそのような企業にも食い込めるだろう。また、日本も2008年には日本版SOX法が施行される見込みであり、そうなると送受信の両方をきちんとチェックできていることがポイントとなる。MIMEsweeper SMTP Applianceを導入することで、送受信のチェックができるほか、セキュリティ対策も一元的に行えるため、日本版SOX法対策としても有効だろう。今後はSIerがセキュリティコンサルティングを行いながら、この製品を導入するのが主流になるのではないか」と語り、今後の方向性を示した。
(@IT 大津心)
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