初の仮想化対応デスクトップPC用CPUをインテルが発表

2005/11/16

 インテルは15日、デスクトップPC用プロセッサ・シリーズ、「Pentium 4」の仮想化技術対応製品2つを発表した。同社が量産出荷開始を発表したのはPentium 4プロセッサ672とPentium 4プロセッサ662。これまでインテルは、サーバ用のXeonプロセッサでハードウェアによる限定的に仮想化技術対応していたが、初めてデスクトップPCの世界にこれを持ち込んだことになる。

 一般的に仮想化技術では、1台のコンピュータのリソースを複数のパーティションに分割し、別個のOSを動かすことができる。重要なアプリケーションに専用のパーティションを割り当てると、他のソフトウェアプロセスの影響を受けることがないため動作が安定するほか、パーティション間でのネットワーク通信をフィルタリングすることにより、セキュリティを強化することができる。

 仮想化をソフトウェア的に実現するソリューションには、オープンソースのXen、VMウェアのESX Server、マイクロソフトのVirtual PCなどがあるが、CPUによる仮想化技術のサポートにより、これらのソリューションのパフォーマンスや柔軟性を向上することも可能になるという。

 仮想技術については、サーバ用途と比較して、デスクトップ用途では明確なメリットが見出しにくいとも指摘されるが、インテルでは2006 年第 1 四半期に、主要PCメーカー数社が、デスクトップ PC 用ソリューションに向けて幅広いサポートを提供する予定と発表している。

 インテルはPentium 4に続き、仮想化技術のサポートをサーバ機、デスクトップ機に幅広く組み込んでいく。2006年後半に提供開始予定の「Averill(開発コード名)」は、「インテルアクティブ・マネジメント・テクノロジ」と仮想化技術を搭載、企業ユーザ向けPCとしてのセキュリティ機能や管理機能を訴える。また、ノートPC用プラットフォームの「Centrino」でも2006年中に仮想化技術への対応を予定している。

 サーバでは11月上旬に発表された「Xeonプロセッサ MP」における対応に続き、「Itaniumプロセッサ」ベースのプラットフォームを 2006 年半ばに出荷開始する予定だという。

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インテルの発表資料

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