RFIDシステムにはますます標準への認識が求められる、BEA

2005/11/19

 BEAシステムズが、同社のRFIDソリューションを日本でも展開していくことを明らかにした。米BEAシステムズは2005年10月、RFIDミドルウェア・ベンダの米コネクテラを買収したが、獲得した3製品をBEAブランドに変更、これらを日本市場でも提供する。ダブルバイト対応で開発されているため、現時点でも日本語環境で利用できるが、2006年第1四半期中には翻訳作業を済ませる予定。

 3製品とは、「WebLogic RFID Edge Server」「WebLogic Edge Server - Compliance Edition」、そして「WebLogic RFID Enterprise Server」。Edge ServerはRFIDリーダーに直接接続され、機器の設定や、RFIDタグからのイベントのフィルタリングなどを行う。Compliance Editionは、Edge Serverに、米ウォルマートや英テスコなどの流通企業、あるいは米国防総省などの仕様に合わせた仕組みを付加したもの。Enterprise Serverは、EPCコードの振り出し、パレット番号とEPCコードのひも付け、位置情報の管理などを行うためのコンポーネント。

米BEAのRFID事業開発/ソリューション・アーキテクチャ・ディレクター、ピーター・ベルナップ氏

 元コネクテラで、現在は米BEAでRFIDの事業開発とソリューション・アーキテクチャのディレクターを務めるピーター・ベルナップ(Peter Belknap)氏は、「BEAとコネクテラは買収以前も緊密に協力して仕事をしてきたが、買収によって真にエンド・ツー・エンドでRFIDソリューションを提供できるようになった。RFIDはパイロットの段階が終わり、本格的な導入が始まる時期を迎えている。これからは拡張性の高いシステムが求められる」と語った。

 ただしベルナップ氏は、標準に準拠し、多様な環境や組み合わせで使えることが、RFIDソリューションで競合する他社に対するBEAの重要な差別化ポイントだと強調した。

 「昨年ならオールインワンのシステムでもよかったが、これからのユーザーは、データをいろいろなレベルでアクセスしたいというニーズがある。また、すでにエッジ・サーバを持っている場合もある。BEAはコンポーネントとしてそれぞれを提供することもできるし、すべてをまとめて提供することもできる。WebLogicやAquaLogic製品と組み合わせた場合には、メッセージの信頼性確保やセキュリティなどのメリットを提供できる」

 旧コネクテラは国際的なRFIDの標準化推進団体であるEPCグローバルにおける数々の委員会で、仕様起草者として貢献してきた。現在でも米BEAは、これら委員会で主要な役割を果たしているほか、EPCグローバルのアーキテクチャ・レビュー委員会には、テクノロジ企業3社のうちの1社として参加している。

(@IT 三木泉)

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日本BEAシステムズ

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