ユーザーが殺到のGoogle Analytics、「年内には復旧したい」
2005/11/26
グーグルは11月25日、利用希望者が殺到したために新規ユーザー登録を中止している無料Webアクセス解析サービス、「Google Analytics」の概要につき、報道関係者に対する説明を行った。Google Analyticsでは、レポートの更新にも時間がかかっている。復旧時期はまだはっきりしていないが、年内にはサーバ増強を終えてサービスを完全な状態に戻したいという。
Google Analyticsサービス用サーバには同社技術者の予想をはるかに超える数のアクセスがあり、日本のユーザーの比率も高かったという。
Google AnalyticsはASP型のWebアクセス解析ツールで、解析対象Webのすべてのページに解析用のJavaScriptを貼り、各ページへのアクセス時にユーザーのCookie情報をGoogleのデータ収集サーバに送ることで、解析データを蓄積する形で動作する。
Google Analyticsについて説明したグーグルの松下智氏 |
グーグルでは、サーバの処理負荷が過剰になった原因の1つに、JavaScriptがWebページに正しく追加されたことをロボットプログラムで確認するステップがあったとしている。このステップは、新規ユーザー登録手順の最後に登場する。解析対象WebサーバのURLとして、大規模なレンタルブログサイトなどのルートディレクトリを指定されてしまったことで、確認のための負荷が膨大なものになってしまったと、説明を担当した同社の松下智氏は語った。
Google Analyticsは、 米グーグルが買収によりUrchinを手に入れたことで実現した無料のWeb解析サービスだが、このツールはもともと独自ドメイン名でWebサーバを運営しているユーザーのために設計されていた。このため、解析対象サーバとしてドメイン名より下のディレクトリは入力できないようになっていた。ここに、レンタルサーバやレンタルブログのユーザーが、サーバのWebルートを入力してしまうケースが続発したのだという。
Google Analyticsを使おうと殺到した人の多くはレンタルサーバやレンタルブログなどの個人ユーザーであることをグーグルでは認識しており、ディレクトリも解析対象として指定できるように修正するつもりという。
ただし、Google Analyticsの解析機能の多くは、個人ブログというよりも、ECサイトを対象としたマーケティング効果分析やWebビジターの行動履歴分析に向けられている。例えば物品購入や会員登録などの目的達成プロセスで、ビジターがどこから来て、どの段階で何パーセントが離脱したか、どこへ行ったかなどの情報を視覚的なレポートとして表示でき、サイトの使い勝手改善に役立てることができる。
マーケティング面では、当然ながらGoogleアドワーズ広告との連携が目玉となっている。Webサイト運営者がアドワーズ広告で選択しているキーワードや広告コストのデータが、自動的にGoogle Analyticsのレポートに取り込まれ、キーワード別のインプレッション、クリックスルー・レート、アドワーズ広告のコスト、売り上げ(これは購入後のビジター向け確認ページなどから自動的に取り込むよう設定する)などの数値が表に示されるようになっている。アドワーズ広告で選択していないキーワードについても、どのキーワードで何人がサイトに来たかを知ることができる。
Google Analyticsが誰でも無料で使えるのは月500万ページビューまで。しかしアドワーズ広告のユーザーに対しては、この制限はない。
(@IT 三木泉)
[関連リンク]
Google Analyticsの説明ページ
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