これからはアクセスポイントも無線でつなぐ時代に?

2005/12/8

 ノーテルネットワークスは12月7日、複数のアクセスポイントを無線でつなぐメッシュ型の無線システム「ワイヤレスメッシュネットワーク」の新製品3機種を発表した。台湾の台北市では、全市レベルで1万台のワイヤレスメッシュアクセスポイントを設置し、265万人の人口のうち、90%以上をカバーしているという。

ノーテルネットワークス キャリアパケットネットワークス ディレクター 宮下泰彦氏
 ワイヤレスメッシュネットワークとは、複数のアクセスポイントが中継するメッシュアクセスポイントに無線で接続する無線ネットワーク。通常アクセスポイントは、それぞれが有線LANなどで直接インターネットに接続するが、ワイヤレスメッシュネットワークでは最大21台が1つのメッシュアクセスポイントに接続してから、まとめて有線LANに接続するため、導入・運用コストの削減につながるという。

 アクセスポイントは2.4GHz帯(802.11b/g)を利用し、メッシュアクセスポイントは5GHz帯(802.11a/j)を用いる。メッシュアクセスポイントの電波到達距離は100メートル程度であるため、メッシュアクセスポイント同士は150メートル程度の距離感覚で設置する必要がある。セキュリティ面では、アクセスポイントとメッシュアクセスポイント間や、メッシュアクセスポイント同士の通信はすべてIPsecで行う。

 具体的には、メッシュアクセスポイントである「Wireless Access Point 7220/7215」が各アクセスポイントの中継機の役割を果たし、ワイヤレスゲートウェイ「Wireless Gateway 7250」を通してインターネットに出る仕組みだ。各メッシュアクセスポイントやアクセスポイントの管理は管理装置の「Enterprise Network Management System」で行う。

ワイヤレスメッシュネットワークのサービスイメージ 左がアクセスポイント「Wireless Access Point 7215」、右がメッシュアクセスポイント「Wireless Access Point 7220」

 ノーテルネットワークス キャリアパケットネットワークス ディレクター 宮下泰彦氏は、「最大のターゲットは自治体や学校だ。そのほか、空港や競技場などのパブリックエリア、ホットスポット事業者などが挙げられる」と説明。ワイヤレスメッシュネットワークを利用したアプリケーション例としては、WiFiのVoIP電話や監視用WiFiのWebカメラなどを挙げた。導入事例には、1万台レベルで導入し、全市レベルでのワイヤレスメッシュネットワーク構築を行っている台北市や米アーカンソー大学、NASAなどを挙げた。

 ノーテルネットワークス キャリアパケットネットワークス ワイヤレスメッシュ プロダクトマネージャー 小林智典氏は、「台北市の導入事例などにより、インフラとしてのワイヤレスメッシュネットワークの実力は、ユーザーに認められた。しかし、『そのインフラ上でどんなアプリケーションを提供すればよいのか分からない』といわれることが多い。今後はユーザーにその部分を提案していきたい」と語った。

(@IT 大津心)

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