富士通が第3世代DWDM装置、「設備コストは従来の4分の1」

2006/1/18

FLASHWAVE 7500X WDMシステム

 富士通は1月17日、新世代のメトロネットワーク向けDWDM装置、「FLASHWAVE 7500X WDMシステム」を同日より発売すると発表した。

 これは、ポイント・ツー・ポイント接続を実現した第1世代DWDM、およびリング状の構成で限定的な構成変更を可能にした第2世代DWDM(ROADM)の後継として期待される、第3世代DWDMをいち早く実現した製品。

 FLASHWAVE 7500Xは光の波長を電気信号にいったん変換することなく、光のままで相互接続する光クロスコネクト装置として機能する。このため、従来のDWDM製品のように、光トラフィックの分岐点に複数の装置を配置して相互接続を手作業で行う必要がない。同製品は分岐点に1台設置するだけでよく、接続設定変更も遠隔操作で実施できる。また、同製品は任意の波長を選択して抽出できる波長選択スイッチであり、波長のADD、DROPを任意のスロットに対して行うことができるため、ネットワーク構成の自由度が高まる。

 従来のDWDM4台を用い、40波を8方向で相互接続するのと比較した場合、新製品を採用すれば必要な光ファイバーケーブルを1960本から48本に減らせるほか、トランスポンダカードが不要になるなど、「設備投資費用は約4分の1になる」と、同社経営執行役フォトニクス事業本部長の近間輝美氏は語った。

 さらに新製品では、装置試験が自動化され、GMPLSによる自動経路制御ができるなどの点から、保守・運用コストも大幅に減少するという。「キャリアでは、保守運用担当者の高齢化による退職に伴い、オペレーションのシンプル化が求められている」(近間氏)

 近間氏によると、富士通は現在DWDMについて国内で30パーセント、北米で10パーセントのシェアを持っている。特に北米では、第3世代DWDMへの移行を急ぐキャリアが目立つことから、新製品を武器として同社のシェアを30パーセントに拡大することを目指したいという。日本ではトラフィックの集中パターンの違いにより、旧世代のDWDM製品もしばらくの間は混在利用されると近間氏は予測するものの、キャリアに現在よりも柔軟な形で帯域を提供してもらいたいというユーザーニーズは現実に存在しており、これに応えるために今回の製品が導入されるケースも増えるだろうと語った。

(@IT三木泉)

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富士通の発表資料

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