日本アルカテルが発売した開発コード名「Fuji」とは

2006/1/26

OmniSwitch 9700。電源供給機能つきイーサネットモジュールも用意されており、IP電話機の接続に使える

 日本アルカテルは1月25日、同社における企業向けスイッチの最上位機種として、「OmniSwitch 9000」シリーズを同日に発売開始したことを発表した。企業向け製品では、ユーザー認証VLANを特色とするスタッカブルスイッチで知られる同社だが、シャーシ型スイッチの投入で、企業や教育機関のコアネットワーク市場におけるシェア獲得を狙う。

 OmniSwitch 9000は768Gbpsのスイッチング容量を備えたシャーシ型のマルチレイヤスイッチ・シリーズ。「9700」「9800」の2機種で構成され、9700ではネットワーク・インターフェイス・カード用に8スロット、9800では16スロットが利用できる。新シリーズとともに発売されたネットワーク・インターフェイス・カードは24ポートの10/100/1000BASE-Tモジュール、24ポートの1Gbpsイーサネットモジュール(SFP)、そして2ポートの10Gbpsイーサネットモジュール。第2四半期中には6ポートの10Gbpsイーサネットモジュールが発売されるため、最大で10Gbpsイーサネットを96ポート構成できることになる。

 「Fuji」という日本語の開発コード名で呼ばれていた同製品では、これまで日本が世界をリードしてきたIPv6への対応を最大の特徴の1つとしている。

 IPv4、IPv6ともにハードウェア処理を適用、ワイヤスピードでの転送が可能という。IPv6とIPv4を同時に動かした場合でも、IPv4 のパフォーマンスが低下することはないとしている。IPv4マルチキャストに加えてIPv6上のマルチキャストもサポートしており、MLD Snooping機能も備える。ソフトウェアのIPv6機能やハードウェア処理機能は、他社製品では有償オプションとして提供されていることが多いが、OmniSwitchでは標準で搭載されている。

 この製品は、全モジュールの二重化やQoS、データ回線経由の電源供給(PoE)、マルチキャスト機能などを備えた本格的なスイッチだが、低価格であることもアピールポイントとなっている。

 OmniSwitch 9700は最小構成で500万円、OmniSwich 9800は同800万円。10Gbpsイーサネットモジュールの価格は業界平均値以下だと同社では強調している。

 「日本アルカテルは大学や病院に強い。こうしたところでは、マルチキャストの普及も早い」(eビジネス・ネットワーキング事業部事業部長の平井賢吾氏)として、これらの分野を手始めに市場を開拓する。初年度売り上げの目標は10億円という。

(@IT 三木泉)

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