OJTを受けられないITエンジニアは、どうすればいい?

2006/2/7

 富士通ラーニングメディアは2月6日、最近の人材育成のトレンドと、それに対する同社の取り組みなどを説明した。

富士通ラーニングメディア 代表取締役社長 岡田恭彦氏

 富士通ラーニングメディア 代表取締役社長 岡田恭彦氏は、最近の人材育成について「(景気の回復によって採用活動も活発になり)採用した人材を早く戦力化したいという意識が高まっている。戦略的、効率的な人材育成が急務とされている」と説明。また、情報セキュリティへの意識の高まりを受け、「派遣社員などの流動性の高いメンバーも含めた全社教育の手段として、eラーニングが注目されている」と語った。

 同社によると、研修の受講トレンドから見たキーワードは「ヒューマンスキル」。富士通ラーニングメディア 研修事業部長 羽賀孝生氏は、提供コースの受講者数を2005年度上期・下期で比較し、伸び率を測った資料を示した。伸び率上位20コースのうち、コーチングやコミュニケーション、ヒアリングなどのヒューマンスキル関連コースが7つ入っており、受講者数は約1.5倍から3倍に増加しているという。この傾向は2006年も続いている。そのほかにプロジェクトマネジメント関連、ITIL関連のコースも注目されているという。羽賀氏は「企業が求めるのは技術と実践力、ヒューマンスキルを兼ね備え、それを基に行動力を発揮できるITエンジニア。バランスの取れた人材を育成するお手伝いをするのが、当社の2006年の重点テーマ」とした。

 バランスの取れた人材育成を実現するため、富士通ラーニングメディアはヒューマンスキル関連コースを充実させる。ベースとなるヒューマンスキルの各種コースに加え、ファシリテーションや問題解決など実際の行動力向上のためのコースも提供する。そのほか、ロールプレイングなどでプロジェクトマネジメントの実践力を強化するコース、ITIL関連や情報セキュリティ関連コースなどにも力を入れる。現場でのOJTが難しくなっている現状を考慮し、「体系的に学び、現場で体験できない実践の部分までシミュレーションできる」(羽賀氏)ことが特徴だ。

 eラーニング市場については、富士通ラーニングメディア eラーニング事業部長 戸田博人氏が「確実に拡大している」と説明。特にコスト削減効果、個人の都合で学習を進められる点が企業に期待され、需要が伸びているとした。

 企業が抱えるeラーニング導入時の課題として、業務に即したコンテンツの不足、初期導入のコスト、社員の学習意欲低下など運用上の問題があるという。これらの課題に対して、富士通ラーニングメディアはコンテンツ制作・カスタマイズサービス、eラーニング環境の設計サービス、受講者QAなど運用代行サービスを展開。eラーニングを利用する企業をサポートする。

(@IT 長谷川玲奈)

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