ホワイトカラーの生産性向上、シスコは何で実現する?
2006/3/8
シスコシステムズは3月7日、音声やデータ、映像などのコミュニケーション製品とアプリケーションを統合した新システム「Cisco Unified Communications」を発表した。既存のIPコミュニケーション製品に新製品を追加した製品群で、シスコの代表取締役社長 黒澤保樹氏は「ホワイトカラーの仕事のスピードを上げるコラボレーション・アプリケーション」と位置付けている。
シスコシステムズの代表取締役社長 黒澤保樹氏 |
シスコは2005年12月、次世代の情報システム基盤として「Service Oriented Network Architecture」(SONA)を発表した。SONAは仮想化したネットワークレイヤをベースに、インフラストラクチャレイヤ、アプリケーションレイヤを構築する基盤。「インフラ屋の役割からプラットフォームに向かう」(同社 執行役員 CTO 大和敏彦氏)というシスコの目指す方向性を示している。
Cisco Unified CommunicationsはSONAにのっとって開発した初のシステム。IP-PBXなど従来のIPコミュニケーション製品に「プレゼンスとリッチメディア、リアルタイムの各機能を加えた」(同社 プロダクト&テクノロジーマーケティング ディレクター ゲリー・ターナー[Garry Turrer]氏)のがその内容だ。
新製品の「Cisco Unified Presence Server」は、電話やパソコン、携帯電話、インスタントメッセージなどユーザーの状態ごとに連絡可能な方法を収集するサーバで、「Cisco Unified Personal Communicator」や「Cisco Unified CallManager」に情報を提供する。IBMの「Lotus Sametime」やマイクロソフトの「Live Communications Server 2005」に情報を提供する機能もある。
また、「Cisco Unified Personal Communicator」は統一のインターフェイスからシスコの複数のコラボレーション・アプリケーションを利用できるクライアント用のツール。IP電話やプレゼンス情報、ビデオ会議、テキストメッセージ、ファイル共有など、「複数のアプリケーションのギャップを埋める役割を果たす」(シスコ)。マウスによる直感的な操作が可能で、意思決定者の生産性を向上させるとしている。
シスコは中堅・中小企業向けのメッセージングシステム「Cisco Unity Connection 1.1」や、音声/Web会議ソリューション「Cisco Unified MeetingPlace Express 1.1」も発表した。また、シスコは、W-CDMA/GSMと無線LANの両方に対応するノキア製携帯電話に2006年中にも対応する考えを示した。ターナー氏はデュアルモード対応携帯電話について「日本のベンダとも協力している」と述べた。
「Cisco Unified CallManager 5.0」「Cisco Unified CallManager Express 3.4」「Survivable Remote Site Telephony(SRST)3.4」は新たにSIPを標準サポートした。SIPの採用でアプリケーションとの連携が容易になると見ている。大和氏は「実際の導入では、自社開発アプリケーションを連携させるケースが大半を占める。SIPの採用でさらにいろいろなデバイスやアプリケーションとの統合が可能なる」と述べた。
Presence Server、Personal Communicator、CallManager 5.0は2006年度第2四半期に出荷予定。「Cisco Unified CallManager Express 4.0」を第3四半期に出荷する。Connection 1.1、MeetingPlace Expressは2月1日に出荷済。
(@IT 垣内郁栄)
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シスコシステムズの発表資料
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