HP、プログラマブルASICで“頭の回転が速い”スイッチ

2006/3/8

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は3月7日、同社のスイッチ製品で多数の新製品を発表、ラインアップを大幅に強化した。

 今回の発表の目玉は「ProCurve Switch 5400zlシリーズ」と「同3500ylシリーズ」。どちらもネットワークエッジ向けのマルチレイヤスイッチで、大容量、Power over Ethernet(PoE:通信ポートを通じた電源供給)のほか、高いインテリジェンスを備えていることが大きな特徴となっている。

 5400zlシリーズはシャーシ型製品で、7Uサイズの5412zlの場合、最大288の10/100/1000Mbpsポート構成が可能。一方、3500ylシリーズはボックス型製品。例えば「3500yl-48G-PWR」はPoEの10/100/1000Mbpsポートを48個搭載。さらに4個の1Gbpsアップリンクポートと4ポート10Gbpsモジュール用スロットを備える。

 5400zlと3500ylはレイヤ2/3/4の一般的なトラフィック制御機能を備えるほか、「ウイルス・スロットリング」と呼ばれるセキュリティ機能も搭載している。これは、一部のポートに突然大量のパケットが送られてきた場合などに、これをいったんせき止めるというもの。

 2シリーズには同社の研究所が開発したプログラマブルASIC、「ProVision ASIC」が搭載されている。パケットにフィルタリングや通信品質制御などのポリシーを適用する際、各パケットのMACアドレス、送信元IPアドレス、宛先アドレス、ポート番号などを次々見ていく必要があるが、「汎用CPUを用いた競合他社のスイッチでは、1サイクルで1つのルックアップ(チェック)しかできない。しかし、この製品では、1サイクルで8つのルックアップが可能」と、ProCurve Networkingのワールドワイド・プロダクト・マネージャー、カイ・チャン(Kai Chang)氏は話した。つまり、各種のポリシーを適用しても、パフォーマンスが落ちにくいという点をアピールしている。

 日本HPでは、こうした製品を通じ、「インテリジェント・エッジ」という同社の考え方を浸透させていきたいという。

 日本HPは、スタッカブルとシャーシ型の良さを組み合わせた新製品、「ProCurve 4200vlシリーズ」も発表した。こちらは固定ポートを持つと同時に、追加インターフェイス・モジュール用のスロットも備えている。

(@IT 三木泉)

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日本HPの発表資料

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