ラドウェアが製品群を全面的に一新、企業攻略を強化
2006/4/14
ラドウェア本社のシャロン・トラックマン副社長 |
日本ラドウェアは4月13日、同社のアプライアンス製品群をリニューアル・強化し、新ブランド「APSoluteシリーズ」として日本市場における提供を開始したと発表した。同社は新シリーズの立ち上げに伴い、企業向けの販売・マーケティングを強化する。
「これまでラドウェアは、アプリケーション、アベイラビリティ(可用性)、セキュリティの分野で製品の追加を発表してきた。今回はハードウェア、ソフトウェア、管理ツールのすべてにおいて、既存製品を初めて根本的に入れ替えるもの。これまでの発表とは全く異なる」と同社代表取締役社長の公家尊裕氏は話した。
日本ラドウェアは、「AppDirector」(サーバ負荷分散)、「AppXcel」(SSL処理・コンテンツの高速化)、「DefencePro」(IPS)、「SecureFlow」(セキュリティ負荷分散)、「LinkProof」(WAN負荷分散)の各アプライアンスシリーズを展開している。これらはすべて同一のOSを用いており、基本的に共通のハードウェア・プラットフォーム上で動作する。この共通ハードウェア・プラットフォームには処理能力やポート構成の異なる複数のバリエーションがある。
今回はまず、ハードウェア・プラットフォームに2種類が追加された。これまでは「Application Switch I」「Application Switch II」「Application Switch III」の3種類だったが、「Application Switch IV」を提供開始準備済みで、さらに「Application Switch V」を第2四半期中に投入するという。
「Application Switch IV」は既存ハードウェアの構造を継承し、最大スループットは3Gbpsを実現。20のギガビットイーサネット・ポートを搭載していることが最大の特徴だ。「レイヤ7スイッチとしては最高のポート密度を実現した」とイスラエルのラドウェアでプロダクトマネジメント担当副社長を務めるシャロン・トラックマン(Sharon Trachtman)氏は話した。
次世代スイッチとして投入されるApplication Switch Vのアーキテクチャ |
これに対し、キャリアや大企業をターゲットとする「Application Switch V」は、バックプレーン、CPU、ネットワークプロセッサをそれぞれ強化し、最大で5Gbpsのスループットを達成する。ポート構成は、ギガビットイーサネット・ポート17ポートに加え、10ギガビットイーサネットを2ポート搭載している。
共通OSである「APSolute OS」では、トラフィックの識別とフロー制御で新たなエンジンを搭載。詳細なレイヤ7情報に基づくトラフィック管理が全シリーズで可能になった。
例えば複数のWAN回線間で負荷分散を行うLinkProofでは、これまでポート番号やアドレス情報に基づいて負荷分散することが可能だったが、新機能ではパケットに含まれるURL情報に応じて、回線Aと回線Bとの間で振り分けを行うといったことができるようになった。
また、APSoluteシリーズのための統合管理ツールである「APSolute Insite」では新バージョンの2.00がまもなく登場。表示情報やユーザー・インターフェイスの強化のほか、RADIUSによるユーザー認証にも対応する。
日本ラドウェアの公家社長は、現在国内でエンタープライズ向けとサービスプロバイダ向けの売上比率は65%対35%だと説明。「エンタープライズ向けの比率を80%にまで引き上げたい」と話した。
このため同社は、これまで推奨小売価格が199万円だった製品を50万円値下げするなど、エントリーレベルの製品の価格を大幅に引き下げた。販売チャンネルについては2005年秋に再編・拡充した。今後は企業ユーザーにおける認知度を高めるための活動を強化していくとしている。
(@IT 三木泉)
[関連リンク]
日本ラドウェアの発表資料
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