日本にRFIDを根付かせる、オラクルがミドルウェアをアピール
2006/4/18
日本オラクルは4月17日、3月に発表したOracle Application Server 10g Release 3で強化したRFID機能について説明会を開催、同社のRFIDに向けた取り組みを発表した。
オラクルのRFIDへの取り組みは、4つの製品群に分けられる同社製品戦略の中のOracle Fusion Middlewareの構成要素の1つとしてとらえられている。具体的にはミドルウェア製品「Oracle Sensor Edge Server」がEPCglobalの仕様に準拠した形でRFIDを取り扱う。
Oracle Sensor Edge Serverは、20種近くのデバイスを扱えるようにドライバ機能を強化し、RFIDタグから読み取ったデータを意味のある単位に変換するフィルタリングロジックを拡充、取りまとめたイベント情報をバックエンドに送出するディスパッチャーをEPCglobal規格に対応させてパフォーマンスの向上を図るなど、全体的な機能強化が行われている。
このほか、PDAなどのハンドヘルド端末によるRFIDシステムを構築するためのミドルウェア「Oracle Sensor Edge Mobile」が新たに追加された。これによりWindows Pocket PC 2003をハンディ端末として利用するRFIDシステムを容易に開発できる。
RFIDタグの埋め込まれたラベル |
さらに、物流分野において納品業者が商品を出庫する際に素早くRFIDタグを発行する仕組み「Slap&Ship」を実現するための「RFID Supplier Compliance Workspace」も提供される。近年、ウォルマートやヨドバシカメラのような小売業者から納入業者に対してケースやパレットへのRFIDタグ貼り付けが要請されるようになっており、納品業者の“RFIDコンプライアンス”が重要視されている。
Slap&Shipとは、納品業者が本格的なRFIDシステムを構築することなく、納入先の要求に応じてRFIDタグを埋め込まれたシールをSlap(平手でピシャリと貼り付け)して、Ship(出庫)する仕組みである。具体的には、既存の商品データベースから商品データコードを抽出しEPCコードに変換、RFIDラベルプリンタで印刷したRFIDタグと商品データの関連付けから出庫確認、EDIデータのエクスポートまでをRFID Supplier Compliance Workspaceが一括して行う。
日本オラクルの三澤智光 執行役員システム事業推進本部長 |
日本オラクルの三澤智光執行役員システム事業推進本部長は、「他社のミドルウェアがRFIDリーダ/ライタからデータを吸い上げる部分しか提供していないのに対して、オラクルがすでに提供しているデータベース、セキュリティ、SOAによるアプリケーション連携、ポータル統合など連携した包括的なソリューションの提供ができるのがメリットだ」とコメント。また、「RFID Supplier Compliance Workspaceによって、従来案件ごとに開発する必要があったアプリケーションもミドルウェアで実現できるので、納品業者のコストと工数を大幅に削減できる」と自信をのぞかせる。
Oracle Sensor Edge Serverの値段は1CPU当たり62万5000円、Oracle Sensor Edge Mobileは1ユーザー当たり1万2500円/10ユーザーから、RFID Supplier Compliance Workspaceは1CPU当たり62万5000円(これらはOracle Application Server 10gに含まれている)。三澤氏は「低価格な設定であり、ヨドバシカメラの納品業者などを中心に50社の獲得はそれほど難しいとは思わない」と語った。
(@IT 岡田大助)
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日本オラクルの発表資料
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