「ヤングなLinuxは管理が複雑」、米社管理製品が国内で出荷

2006/4/21

 イーシステムは米レバンタと代理店契約を結び、レバンタのLinux管理アプライアンス「Levanta Intrepid M」の販売を開始したと4月20日に発表した。Intrepid Mはネットワークに接続するだけで、複数のLinuxサーバのプロビジョニングやデプロイ、マイグレーションなどが可能になるアプライアンス。Linuxサーバの運用管理を大幅に効率化できるという。

米レバンタのマーケティング&プロダクト担当ディレクタ デービット・デニス氏

 Intrepid Mは、Linuxサーバが接続されたネットワークにつなげてIPアドレスを設定するだけで、Linuxサーバを認識し、管理下に置く。Intrepid Mは、Linuxサーバの環境を仮想的にパッケージングしたテンプレートを作成可能。このテンプレートをネットワーク経由でLinuxサーバにインストールする。テンプレートはファイルサーバ用、電子メールサーバ用、Webサーバ用、ワークステーションなどが標準で付くほか、カスタマイズも可能。

 プロビジョニングのほかに、GUIを使って、あるサーバのソフトウェア構成を別のサーバに移動させたり、アプリケーションやパッチの配布、データのリカバリなどが可能。物理サーバ同士や、物理サーバとVMware上の仮想サーバで、相互にソフトウェア構成を移行させられる。プロビジョニングの対象は、Linuxカーネル、Linux OS、アプリケーション、コンフィグレーション、コンテンツ。

 米レバンタのマーケティング&プロダクト担当ディレクタ デービット・デニス(David Dennis)氏は、「LinuxはほかのOSと比べてディストリビューションが多い。カスタマイズや変更して利用するケースもあり多様な環境が出来上がっていて、管理が複雑になる」と説明。「LinuxはまだヤングでほかのOSと比べると成熟していない」とも語り、複数のLinuxサーバを一元管理するIntrepid Mが有用と指摘した。米国ニューヨーク市立大学ではLinuxで運用するWebサーバ、アプリケーションサーバが数百台あり、Intrepid Mを導入することで8時間かかっていた管理作業が、5分間に短縮できたという。

 Intrepid Mには各Linuxサーバのファイル変更を管理する機能がある。ファイル変更をトラッキングし、問題が発生した場合は個別の変更を取り消してリカバリすることもできる。イーシステムの代表取締役社長 渡辺博文氏は、Intrepid Mの変更管理機能を取り上げて「Intrepid Mはシステム監査証跡を記録できるため、Linuxベースのシステムにおける日本版SOX法対策ソリューションとして販売する」と述べた。

 Intrepid Mは380万円から。40台以上のサーバを管理できる。1.4TBの共有ストレージを内蔵。外部ストレージを使うことで管理サーバの台数は増やすことができる。イーシステムによるとすでに国内の大手通信業者が導入済み。初年度は100ユニットの販売を目指す。

(@IT 垣内郁栄)

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