日本企業はセキュリティ意識高いが自信ない、IBM調査
2006/5/2
日本IBMは5月1日、世界17カ国の企業を対象としたセキュリティに関する意識調査の結果を発表した。
同調査は、米IBMがブラウン・リサーチに委託し、2005年12月から2006年1月にかけて、世界17カ国(日本、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、チェコ共和国、フランス、ドイツ、インド、イタリア、メキシコ、ポーランド、ロシア、スペイン、イギリス、米国)の製造、金融、医療、小売業の企業3002社(このうち日本企業は150社)に対して電話インタビューの形で実施した。調査の対象は、「CIOレベル、CIO直属のエグゼクティブ、あるいは自社のIT実務に精通した適任者」だという。
これによると、「サイバー犯罪は物理的な犯罪よりも多大な損害をもたらす」と考えている企業の比率は、日本企業では69%で、世界全体の58%を上回った。
サイバー犯罪による主な損害としては、既存顧客の損失(日本81%、世界67%)、ブランドや評判へのダメージ(日本75%、世界63%)、収益の損失(日本73%、世界72%)、サービス回復費用(日本57%、世界52%)、見込み顧客の損失(日本55%、世界38%)の順に回答が多かった。
一方、「組織的なサイバー犯罪への十分な防護対策を取っていると確信していると回答した企業は、世界全体の59%に対して日本は15%。セキュリティ対策に関する日本企業の自信のなさが浮き彫りになった。
同調査ではさらに、日本企業の94%(世界全体の84%)が、サイバー犯罪において、単独犯のハッカーに代わって高度な技術と知識を有する組織的犯罪集団が台頭してきていると考えていることが分かった。また、日本企業の60%(世界全体の63%)が、途上国の無防備なシステムからの脅威がますます大きな問題になっていると回答した。「企業セキュリティへの脅威は組織内部から生じている」と認識している企業は、日本企業の69%(世界全体の66%)に上った。
次年度中に行うべき重要な2つの対策という質問に対する日本企業の回答は、ウィルス対策ソフトウェアのアップグレード(日本42%、世界27%)、ファイアウォールのアップグレード(日本24%、世界28%)、侵入検知・防止技術の導入(日本22%、世界30%)、脆弱性/パッチ管理システムのネットワークへの導入(日本18%、世界19%)の順に多かったという。
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日本IBMの発表資料
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