「オンライン小額決済はFeliCa」を推すインテルとMS
2006/6/14
インテル、ビットワレット、マイクロソフトの3社は6月13日、電子決済や電子認証における非接触ICカード技術「FeliCa」の普及を目指す共同マーケティングプロジェクトを立ち上げたと発表した。
「スマートデジタルライフ推進プロジェクト」と命名された同プロジェクトでは、FeliCaリーダー/ライターの普及やFeliCaに対応したオンラインサービスの増加と取引高の大幅増を目指し、プロモーション活動を展開していく。
左からマイクロソフト執行役 眞柄泰利氏、ビットワレット 執行役員 宮沢和正氏、インテル取締役 町田栄作氏 |
FeliCaといえば、JR東日本/西日本の「Suica」/「ICOCA」でも利用されている非接触ICカード技術。ビットワレットでは、FeliCaをベースとした電子マネー「Edy」を展開。携帯電話の「おさいふケータイ」でも、電子マネーはEdyを利用している。リアルの世界におけるEdyの加盟店は、2006年6月時点で約3万3000に達しているという。
一方、オンラインの世界における加盟店は約1400にとどまっている。これをてこ入れし、動画や音楽などの課金コンテンツにも適用できるインターネット上の小額決済手段として育てていこうというのが3社の考えだ。
インテルの取締役(事業開発本部)町田栄作氏は、「インテルの『Viiv』や『vPro』は、FeliCaとの連携によってますますやりやすくなる」と話した。
3社が電子決済や電子認証でFeliCaを推す理由として挙げるのは、次のようなポイントだ。
FeliCaは、匿名のプリペイドカードとしての性格を持ち、カードをFeliCaリーダーにかざすだけで、ユーザーIDやパスワードを入力せずに簡単な決済が行える。このため、キーボード入力が苦手な人や、インターネット上での個人情報流出を恐れて電子商取引を行いたがらない人でも、オンラインショッピングやインターネット経由のコンテンツ利用が行える。また、クレジットカードのように利用年齢制限はなく、18歳以下の年少者でも気軽にカードをチャージして、商品の購入やサービスの利用ができる。このため、幅広い年齢やPCリテラシーのユーザー層を取り込めるというメリットがある。
また、クレジットカードと異なり電子マネーであるEdyは、小額決済に有効で、インターネットコンテンツの都度利用料徴収には適していることが、共同プロジェクトにおける重要なポイントになっているという。
今後1年間で同プロジェクトの掲げる目標は、FeliCa対応のオンラインサービス数を、現在の1400サイトから約3000サイトに増やすこと、そしてFeliCaリーダー/ライター搭載PCや外付けリーダー/ライターの年間出荷数を、2005年度の100万台から300万台に増やすこと。FeliCa決済によるオンライン取引高も、現在の2倍にしたいという。
同プロジェクトには、6月13日現在で35社が賛同しているという。この中には、PCベンダ、コンテンツ業者、金融機関などのほか、ネット家電用マルチメディア・ミドルウェアを開発するデジオンも含まれている。
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