増えすぎたIDが覚えられない……
Web 2.0時代のID管理は? リバティが「People Service」提案
2006/10/30
リバティ・アライアンス・プロジェクトのテクノロジ・エキスパート・グループ共同議長 ポール・マドセン(Paul Madsen、NTT所属)氏は10月30日、同プロジェクトのイベントで講演し、利用するアプリケーションの増大やユーザー間で情報を共有するWeb 2.0型アプリケーションの拡大で、「管理必要なアイデンティティ(ID)情報は膨大になり、まさにインフレが起きている」と語り、Web 2.0に対応したID管理が必要と訴えた。
リバティは、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)やフォト共有などのWeb 2.0型アプリケーションのID情報を一括管理し、複数のアプリケーションで共有できる新仕様「People Service」を今年1月に公開した。同仕様は「リバティ・アイデンティティWebサービス・フレームワーク」に基づく。
従来のフォト共有の場合、Aさんが自分の写真をBさんと共有しようとすると、フォト共有サイトからAさんがBさんに招待のメールを送信する。メールを受け取ったBさんはフォト共有サイトにアクセスし、新たにIDを作成し、写真を見る。マドセン氏は「Bさんのアドレスがフォト共有サイトに保存されるのは適当か? 新たにIDを作成しなくてならないのはBさんとって負荷ではないか」と問題点を指摘する。浮上するのは「Web 2.0型アプリケーションではIDは分散し、重複している(Fragmented&Duplicated)」(同氏)という問題だ。
People Serviceは「特定のアプリケーションからID情報を隔離し、別に管理する」(同氏)ための仕様だ。People ServiceはAさんとBさんの関係性の保存し、別のアプリケーションを利用する場合でもその関係性を維持し、応用できる。マドセン氏は「Webサービスのインターフェイスを使って“Common Social Layer”を作る。IDの数をユーザーが管理可能な数に減らせる」と話した。
同イベントで基調講演したリバティのバイスプレジデント ロジャー・サリバン(Roger K. Sullivan、米オラクル所属)氏は「2006年末までにリバティ対応のアプリケーション、デバイスが10億を超える」と話した。これまでは通信や電子政府、金融での利用が多かったが、今後はモバイル、行政全体、ヘルスケアなどへの拡大を期待するという。
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