日本企業の長期ログ保存ニーズに対応
東京エレクトロンデバイス、PC制御・監視とログ管理の融合で米社と提携
2006/11/02
東京エレクトロンデバイスとバーダシス(Verdasys)は11月2日、東京エレクトロンデバイスが国内総代理店となっている米センセージのログ管理製品「SenSage Enterprise Security Analytics」と、バーダシスのセキュリティ監視製品「Digital Guardian」間の接続や検証を進めるとともに、共同ソリューションの提案を実施していくと発表した。将来は販売代理店契約を結ぶことも念頭に置いているという。
バーダシスのDigital GuardianはPCおよびサーバにOSレベルのエージェントをインストールすることにより、企業で定めたポリシーに基づいてユーザーのPCやサーバに対する操作を限定することができる。たとえば機密情報が無許可でネットワーク転送されたりリムーバブルメディアなどに保存されたりするのを防止できるほか、ポップアップ画面で転送や持ち出しの理由を入力させ、これを記録に残すことができる。社外に送信される電子メールの添付ファイルを自動的にパスワード付きのZIPファイルにする、さらにサーバ上の特定ディレクトリのファイルについて、クライアントPCへの保存時に自動的に暗号化する、といった機能も備えている。さらにPCやサーバに対する操作をすべて履歴として管理することができ、事後分析などに利用できる。
クライアントPCをロックダウンするセキュリティ製品と混同されがちだが、Digital Guardianは制御よりもポリシーの徹底に重きを置いた製品だ。米バーダシスCEOのセス・バーンバウム(Seth Birnbaum)氏は、「世界で80社に導入され、50万人がこの製品で管理されている。コールセンターや証券会社で、数万ユーザー単位の導入例がある」と説明した。
一方、SenSage Enterprise Security Analyticsはネットワーク機器、メールサーバ、OS、アプリケーションなど、あらゆるログを取り込み、統合的に管理する製品。独自のクラスタリングによる高速処理、ログのデータ量を大幅に圧縮する機能などが評価され、国内では1月に発売開始以来、大手金融機関など10社に導入されたという。
今回の協業は、ログ管理の付加価値として具体的なソリューションを提供したい東京エレクトロンデバイスと、ログデータの長期保存ニーズに対応したいバーダシスの利害が一致したもの。日本独自の取り組みとして、両社は2製品をつなぐ接続モジュールを開発・検証し、共同ソリューションを2007年初めより東京エレクトロンデバイスのSenSage Enterprise Security Analytics販売パートナーに提案していく。
バーダシスによると、米国などではログを1年程度保管できればいいケースがほとんどという。しかし日本の金融機関では7年間など長期にわたってログを管理しなければならないというニーズがある。そこで日本独自で接続を行い、低コストで長期のログ保管を実現するとともに、ほかのログとの相関分析によって包括的な内部統制を実現できる方法としてSenSage Enterprise Security Analyticsを活用していきたいという。
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