「すべてそろって低コスト」
SOA製品パッケージ「SOA Suite」発表、日本オラクル
2006/11/13
日本オラクルは11月13日、同社が展開するSOA関連のミドルウェアをパッケージした「Oracle SOA Suite 10g Release3」と、J2EEアプリケーションとSOA環境の構築が可能な統合開発環境「Oracle JDeveloper 10.1.3.1」を発表した。SOA Suiteは2007年1月9日に出荷開始。JDeveloperは無償ダウンロード提供をOracle Technology Network-Japanを通じて開始した。
SOA Suiteが含むのは以下のミドルウェア。
- Oracle BPEL Process Manager
- Oracle Business Activity Monitoring
- Oracle Web Services Manager
- Oracle Business Rules Engine
- Oracle Enterprise Service Bus
日本オラクルの常務執行役員 システム製品統括本部長 三澤智光氏は「オラクルの差別化ポイントはSOA環境をスイートで包括的に提供できること」と話し、ラインアップの広さを強調した。SOA Suiteは欧米では前バージョンも存在したが日本語に未対応だったため国内での投入は行わなかった。Release3で全製品が日本語化されたため投入を決めた。
価格はすでにOracle Application Serverのライセンスを持っている顧客の場合、オプション扱いとなり1プロセッサ当たり625万円(税抜)。Oracle Application Serverを持っていない場合の単独価格は812万5000円。三澤氏は他社の競合製品の価格を示したうえで「SOA Suiteはすべてそろっていて、かつ低コスト」と話した。
JDeveloperは前バージョンからSOA対応機能を強化した。新たにBPELデザインやESBルーティング設計、アダプタ設計、XMLマッパーに対応。「Webサービス開発、SOAによるビジネス・プロセス開発、フロントのWebアプリケーション開発のすべてを単一環境でサポートする」(日本オラクル)。三澤氏は「J2EE開発とSOA開発を統合したのは統合開発環境の中で初めてではないか。オラクルが進める次世代アプリケーション『Oracle Fusion Applications』のためにはEclipseの進化を待っていられない」と話した。
日本オラクルは昨年、SOAコンポーネントを160セットあまり出荷した。しかし、「90%はデータ連携という直近の課題を解決するための適用で、メーンはBPEL Process Managerだった」(三澤氏)。オラクルはこの直近の問題解決のエリアを「SOA Based Integration」と呼ぶ。このエリアはいわばEAIの代替ソリューションで、ベンダ間の差別化は難しい。
SOA技術の差別化を示せるのは企業基盤の再構築やコンポジット・アプリケーション開発などを実現する「Enterprise SOA」とオラクルは見ている。昨年のオラクルの実績ではEnterprise SOAを試みたのは10%程度だが、オラクルは製品の機能やメソドロジー、標準技術の採用などをアピールして、SOA Based IntegrationからEnterprise SOAへの移行を企業に促す。
関連リンク
関連記事
情報をお寄せください:
最新記事
|
|