「Unbreakable Linux 2.0」がスタート

Red Hat Linuxをオラクルが直接サポート、来年初めにも国内で開始へ

2006/11/14

 米オラクルのグローバル・テクノロジ・ビジネスユニットのバイスプレジデント ロバート・シンプ(Robert Shimp)氏は11月14日、日本オラクルのイベント「Oracle Summit 2006」で講演し、ユーザーのRed Hat Linuxをオラクルが直接サポートする「Unbreakable Linux 2.0」について「日本でも同じように提供したい」と話した。日本オラクルの常務執行役員 システム製品統括本部長 三澤智光氏は「2007年早々にも開始まで持っていければ」としていて、国内展開が確定的になった。

oracle01.jpg 米オラクルのグローバル・テクノロジ・ビジネスユニットのバイスプレジデント ロバート・シンプ氏

 Unbreakable Linux 2.0はレッドハットに代わり、オラクルがユーザーのLinuxをサポートするサービス。OSのアップデート、パッチを適用する「Network Support」と、アップデート、パッチに加えて24時間365日のWeb、電話サポートを提供する「Basic Support」、Basicに加えて新バージョンのバックポートを利用可能にする「Premier Support」を用意する。米オラクルが10月下旬に開催した「Oracle OpenWorld 2006」で発表した。

 シンプ氏は現状のLinuxについて「真のエンタープライズサポートが提供されていない」「バグフィックスが将来のバージョンにしか提供されない」「サポート料金が高い」「知的財産についての保証がない」などと指摘。そのうえで「オラクルはこのすべてを解決できる」と強調した。米国ではオラクルはレッドハットと同様のサービス、もしくはそれ以上のサービスを、レッドハットの半額で提供するとしている。オラクルは引き続きSUSE Linux、Asianuxもサポートするが、シンプ氏は「オラクルにとってはLinuxが1つのディストリビューションに統合されるのがよいと考えている」と語り、サポートを付けたRed Hat Linuxを顧客に推奨する考えを示した。

 三澤氏は国内での展開について「すでに数十社からリクエストが来ている」と明かしたうえで、「個人的にはまずはエンタープライズの顧客から攻めて、事例を作って行きたい」と話した。国内では日本オラクル子会社のミラクル・リナックスや、Red Hat Linuxのサポートを提供するオラクルのパートナー会社との関係を調整する必要がある。ただ、ミラクル・リナックスやパートナーのサポートビジネスは中小規模のシステムが中心とオラクルは見ていて、三澤氏は「あまり大きなコンフリクトは起きないのではないか」としている。

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(@IT 垣内郁栄)

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