Groove 2007やSharePoint Server 2007もデモ実演でメリットを強調
MS、プライベートイベントでVistaとOffice 2007の良さをアピール
2006/11/15
マイクロソフトは11月15日、Windows Vistaなどを中心にセミナー形式で紹介するプライベートイベント「the Microsoft Conference 2006」を東京で開催した。この後、2007年2月22日までに全国10都市で開催する予定。基調講演では、マイクロソフト 代表執行役社長 ダレン・ヒューストン(Darren Huston)氏と米マイクロソフト WindowsおよびWindows Liveエンジニアリング担当 シニアバイスプレジデント スティーブン・シノフスキー(Steven Sinofsky)氏が語った。
冒頭に登壇したヒューストン氏はWindows Vistaの進行状況に触れ、「開発を完了し、パートナーへ出荷するための準備を進めている。コンシューマ向けも先日発表したとおり、1月30日にリリースする予定だ」と説明し、順調に推移しているとした。
また、同氏が社長就任時に提唱した戦略「PLAN-J」も順調に推移している点をアピール。「3カ年計画であるPLAN-Jの約半分が過ぎたが、Vista開発で日本メーカーからの多くのフィードバックを反映したほか、開発途中の段階で多くの厳しいテストをクリアするなど、協力関係は強化してきている。この点は、すでに多くのパートナー企業がVistaに最適化したデバイスを提供できている点からも分かるだろう。今後、一層日本国内への投資を増やし、パートナーシップを強化していきたい」(同氏)とコメントした。
さまざまなデモでVistaやOffice 2007の良さをアピール
続いて登壇したシノフスキー氏は、Windows VistaやOffice 2007の登場によって「まったく新しい仕事環境が構築できる」とアピール。「特に強調したいのは、Vistaに搭載したWindows Aeroなど新しいユーザーインターフェイスだ。Windows Aeroは使いやすさを重視したので、まったく新しいインターフェイスであるにもかかわらず、すぐになじめるはずだ。生産性が向上することで、企業単位で考えると数百時間以上の作業効率向上効果が見込めると考えている」(シノフスキー氏)と語った。
Windows VistaとOffice 2007を使ったデモでは、Excel 2007やOutlook 2007を使ったデモを実演した。デモではExcel 2007やOutlook 2007の新機能、Vistaの検索機能などをアピール。例えば、Outlook 2007では添付ファイルの中まで検索することができるようになったほか、社外から社内のファイルサーバへアクセスする際に、通常であればVPN接続などが必要となるが、OutlookやSharePoint Serverへのログイン情報を保持して社内サーバへアクセスして社内ファイルを閲覧できる機能なども搭載した。
続いて、Office 2007シリーズの特徴である共有作業「Windows ミーティングスペース」もデモ。PowerPointを複数人で共有し、スライドを作り上げてみせた。Windows ミーティングスペースの特徴はワイヤレスのアドホック通信を利用している点で、無線LANを搭載しているノートPCさえあれば、ノートPC同士で通信して作業が行える点だ。従って、社外であっても問題なく、共有して作業が行えるとした。
Groove 2007やSharePoint Server 2007も紹介。Grooveは、社内外の人間とコラボレーション作業をする際に利用する新しいOfficeアプリケーションで、社外の人間も巻き込んだ共有作業が容易になるのが特徴だ。その際、共有するデータがクライアントPC内にあるためサーバを必要とせず、サーバ管理の手間が省ける点が特徴となっている。一方で、情報漏えいの観点から、管理者はやりとりの内容やアカウント管理が可能で、監査に対応している点もポイントだとした。
SharePoint Serverでは、「ユーザーから要望の多かったワークフローを取り入れた」(シノフスキー氏)。共有スペースにファイルをアップロードした際には、その権限に応じて上長の承認が必要となる。ただし、ファイルがアップロードされるたびに共有スペースを訪れて承認したり、ファイルを確認するのは手間なのでRSSフィードに対応し、RSSリーダーを使って更新チェックができるようになっている。また、クライアント側のバージョン違いなどによる表示の誤差などをなくすために、ExcelやWordファイルのWeb化機能も備え、クライアントPCにOfficeが入っていない場合でも閲覧が可能になった。
最後のデモでは、最近増えているノートPCの紛失や盗難を想定したデモを実施。Vistaに搭載するディスク暗号化機能「BitLocker」を紹介した。BitLockerは、ハードディスク単位で暗号化することで、情報漏えいを防止する機能。デモでは、ノートPCを電車内で紛失したと仮定し、拾った攻撃者が代表的な3種類の攻撃を試みた。1つ目の攻撃はビルドインアカウント攻撃で、拾ったPCのログイン時にランダムに英数字を入力して正しいログインアカウントとパスワードを探り、ログインを試みる攻撃。しかし、BitLockerでは、OS起動前に固有のUSBメモリーキーとパスワードが必要なのでこの手法は通じない。
次に、ノートPC内のハードディスクを抜いて別のPCに接続して内容を読み取る攻撃を仕掛けるが、BitLockerで暗号化されたハードディスクはほかのPCへ接続しても「フォーマットしますか」と表示され、中身を閲覧することはできない。最後のハードディスクの書き込み面を物理的に見るソフトウェアを使った攻撃も、BitLockerで暗号化されたハードディスクは何も書き込みがないかのように映し出されるため、閲覧できなかった。
シノフスキー氏は、「ハードウェアはBitLockerで守ることが可能となっており、コンテンツはIRM(Information Rights Management)を利用することで、デジタルによる流出や紙による流出も防ぐことができる。VistaとOffice 2007を導入することで、日本版SOX法など、さまざまなコンプライアンスや内部統制で必要とされる監査にも十分対応できるようになるだろう」と語り、VistaとOffice 2007をアピールした。
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