子会社削減、R&D増強など

日立が中期経営計画、「私のコミット、やり抜く」と古川社長

2006/11/16

 日立製作所は11月16日、独自指標「FIV」による経営管理の強化を柱とした中期経営計画を発表した。FIVを指標としてグループ内の事業を再編、見直しし、高収益を目指す。2009年度に連結営業利益率5%、D/Eレシオ0.8倍以下の達成が目標。同社 執行役社長の古川一夫氏は「私のコミットメント。とにかくやり抜く」と力を込めた。

hitachi01.jpg 日立製作所の執行役社長 古川一夫氏

 FIVを厳格に適用し、黒字化しない事業については撤退を勧告、「実質的独立会社制を進化させる」(古川氏)。グループ内のガバナンス体制も見直し、連結子会社を2006年9月末の885社から700社程度まで減らす方針。上場や非上場など資本関係の見直しも進める。研究開発体制も強化し、本社直轄研究機関の研究者の15%を事業部などに配置。新製品の研究開発期間を30%短縮することを目指す。売上高に占める研究開発費の比率は4.5%から5%にする。

 情報基盤事業では、仮想化技術を売りにハイエンドストレージの拡販を目指す。ミッドレンジのストレージも販売チャネルを拡大し、売り上げの増加を図る。また、サーバでは統合サーバの「BladeSymphony」を中心に据え、高競争力の製品を投入するとしている。システム構築事業では、コンサルティング能力の増強を図る考え。子会社の日立コンサルティングを中核に、2005年度に1200人だったコンサルタントを2008年度には3000人まで増員する。情報基盤事業では、2005年度に5%だった営業利益率を2009年度に7%まで引き上げる。

 情報基盤事業にとっては海外展開も強化ポイント。北米での営業力強化など、欧州、中国、アジアなど地域別に施策を立てる。2005年度に38%だった海外売上高比率を2009年度に45%にすることを目指す。

 日立にとってはハードディスクドライブ(HDD)、薄型テレビ、電力システムの3つの赤字事業の改善が最大の課題。古川氏はHDDについて「新製品、新技術によって情報は確実に改善しつつある。新しいマネジメント体制の成果が出始めた」と話した。赤字の3事業については2007年度に営業黒字化、2008年度のFIV黒字化を目指す。

(@IT 垣内郁栄)

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