専任組織の立ち上げも

オラクルが小売業向け新戦略、「Oracle Retail」投入

2006/11/20

 日本オラクルと日本オラクルインフォメーションシステムズ(OIS)は11月20日、専任組織「オラクル・リテイル・ジャパン」を発足させ、小売業向け事業の本格展開を始めると発表した。買収製品などを組み合わせた小売業向けアプリケーション製品群「Oracle Retail」も国内に投入する。

 オラクル・リテール・ジャパンは30人規模で、オラクルのプラットフォーム製品やオラクル、OISのアプリケーション製品の部隊と連携し、顧客に提案活動を行う。特に百貨店、量販店、専門店、アパレルに注力する。

oracle01.jpg 米オラクル 日本アプリケーション・ビジネス担当 シニア・バイスプレジデント ディック・ウォルベン氏(左)と米オラクルのオラクル・リテイル・ジャパン シニア・ディレクター メラニー・ローズ氏

 米オラクル 日本アプリケーション・ビジネス担当 シニア・バイスプレジデント ディック・ウォルベン(Dick Wolven)氏は、日本の小売市場について、「日本の1人当たりの小売での年間消費額は8000ドル以上で米国と変わらない。日本は世界2番目の小売市場だ」と指摘。そのうえで「日本の小売業は非常に洗練されているが、購入をスピーディにしたい顧客の要望や、クレジットカードや携帯電話を使った支払いの増加など、変化を迎えている」と分析した。

 ウォルベン氏は「急激に変化している小売市場で、他社と差別化するにはITシステムが必要だ」と語り、ITシステムの重要性を強調。オラクル・リテイル・ジャパンのシニア・ディレクターに就いた米オラクルのメラニー・ローズ氏も「日本の小売市場のために専門チームを作り、世界中の小売のノウハウを蓄積したオラクルのベストプラクティスを提供する」と話し、本格展開を宣言した。

 小売業向けアプリケーションのOracle Retailは、買収した「ProfitLogic」など複数のアプリケーションで構成。「商品管理」「サプライチェーン」「販売チャネル」のカテゴリの下に各製品がある。ローズ氏は「オラクルのベストプラクティスは日本の小売でも有効だ。Oracle Retailは柔軟性があり、日本の特性に合わせたテーラーメイドも可能」と話した。

(@IT 垣内郁栄)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)