サーバ・アプリケーション用に2製品をまず投入
MS、Forefrontブランドでセキュリティ分野に参入
2006/11/24
マイクロソフトは11月24日、同社のセキュリティ対策製品ブランド「Microsoft Forefront」の国内市場への投入と最初の2製品の提供開始を発表した。
マイクロソフトは個人向けには「Windows Live OneCare」ブランドの下でセキュリティ対策製品を展開している。これに対して「Microsoft Forefront」では企業向けのセキュリティ対策製品群を提供していく。同社サーバープラットフォームビジネス本部 ディレクター 五十嵐光喜氏はForefrontを「ここ数年のマイクロソフトにおけるセキュリティベンダ買収の集大成」と表現、エッジ、サーバ・アプリケーション、クライアント/サーバOSの3分野で製品を展開していくと説明した。
12月1日より国内提供が開始されるのは「Microsoft Forefront Security for Exchange Server日本語版」と「Microsoft Forefront Security for SharePoint日本語版」。同じForefront製品ファミリではさらに、「Microsoft Forefront Client Security日本語版」のパブリックベータテストが12月13日に開始される。
Forefront Security for Exchange ServerとForefront Security for SharePointは、それぞれExchangeとSharePointのサーバを、ウイルスとマルウェアから守るソフトウェアで、複数ウイルス対策エンジンの同時利用が最大の特徴となっている。
「大規模企業では、保険として複数のウイルス/マルウェア対策エンジンを併用している。これは効果があるが、管理が難しい」(同社サーバープラットフォームビジネス本部 シニアプロダクトマネージャ 齋藤義憲氏)。そこでマイクロソフトでは、2製品で同社のマルウェア対策エンジンのほか、CAやソフォス、アンラボ、カスペルスキーなどのベンダの計9製品のエンジンを提供する。これらのエンジンはマイクロソフトを通じて提供され、利用料も2製品のライセンス料に含まれる。シマンテックやマカフィーは現在、提供エンジンのなかに含まれていないが、齋藤氏によるとこれはマイクロソフトがベンダに支払うライセンス料の交渉が決着しているかどうかの問題であり、将来これら2社のエンジンが追加される可能性はあるという。
2製品は一般的なセキュリティ対策製品と同様、サブスクリプション・ライセンスで提供される。ユーザーやデバイス単位で3年契約が基本となり、支払いは一括、あるいは1年ごとの2つの選択肢がある。価格は各ユーザー企業のマイクロソフトライセンス利用状況によるが、例えば200ユーザーでForefront Security for Exchange Serverの3年契約をした場合、一括支払いで144万円といったレベルになるという。
一方、Forefront Client SecurityはクライアントPCのウイルス/マルウェア対策を一元的に行う製品。
ウイルス/スパイウェア対策エンジンはWindows DefenderやOneCareで使われているものを統合的に単一のエンジンとして利用する。米マイクロソフト シニアプロダクトマネージャ ホゼ・ホンタネス氏は、「これはバージョン1のエンジンではない。Windows Defenderが1200万以上のPCにインストールされているなど、既に実績がある」と強調する。
同製品では、Active Directoryとの緊密な統合で管理者によるポリシー配布や状況把握が効率化されている。「Active Directoryの組織ユニット(OU)やセキュリティグループ単位で別個のポリシーを配布できる。Active Directoryとの統合といっても他社では別個に同期用のサーバを必要とすることがあるが、この製品では直接統合できる」とホンタネス氏は話す。
Forefront Client SecurityにはMicrosoft Operations Manager(MOM)が組み込まれえており、この製品の目的のためだけに利用することができる。System Management Server(SMS)のデスクトップ管理と管理インフラが重複する部分もなくはないが、マイクロソフトは当面Forefront Client SecurityはSMSとは別個の仕組みとして提供される。2007年には同社があらゆるIT管理を包含する構成情報データベース製品を出すことによって、両者が単一の体系にまとめられるようになるという。
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