データ保護に要する時間を極小化

BackupExecはディスクベースのバックアップ普及を目指す

2006/11/27

 シマンテックは11月2日、中小・中堅企業向けのバックアップ・ソフトウェアの新バージョン、「BackupExec 11d」を発表した。米シマンテック データ&システムマネジメントグループ担当副社長のディーパック・モハン(Deepak Mohan)氏は、新バージョンの意義を「この市場で最高のMicrosoft Exchange Serverの継続的保護機能、そしてバックアップとリカバリの所要時間を短縮するためのディスクバックアップ関連機能の強化にある」という。

symantec01.jpg 米シマンテック データ&システムマネジメントグループ担当副社長ディーパック・モハン氏

 データを文字通りリアルタイムで別ディスクにコピーし、継続的保護を実現する技術や製品ジャンルは「CDP」(Continuous Data Protection)とも呼ばれる。BackupExecでは前バージョンの10dから、この機能を提供している。「しかしExchangeに関しては、Exchangeとしてのバックアップと別個にメールボックスのバックアップも行わなければならなかったため、時間がかかっていた。今回は2段階の作業が不要になり、さらにきめ細かなリカバリが実現した。Exchangeは中小・中堅企業におけるIT投資の大きな起爆剤となっている。CDPについても、Exchangeをきっかけに普及が進む可能性が高い」とモハン氏は話す。

 CDP以前の問題として、中小・中堅企業ではディスクドライブにデータを複製してからテープに落とすというディスクベースのバックアップ手法もまだ普及しているとはいえない。しかしシマンテックでは、ディスクドライブの価格があと一段下がることで、バックアップやリカバリに時間のかからないディスクベースのバックアップを採用する企業が爆発的に増えるだろうとしている。「BackupExecの顧客は、いつか継続的保護の機能を使うつもりでこの製品を選んでくれていると思っている」。

 今後1年以内に、新しいOSやExchange 2007の登場をきっかけとして(企業における)バックアップソフトの買い替えが起こる。その際にはディスクベース・バックアップ関連機能や継続的保護の機能が注目されるだろうという。

 従業員1000人以下の中小・中堅企業をターゲットとしたBackupExecシリーズでは、導入や運用のしやすさ、そしてコストの低さが非常に重要だとモハン氏は強調する。このため、Exchangeの継続的保護のような機能についても、同シリーズでは別製品としてではなく単一の製品内で提供し、ユーザー企業がオプションとして選択できるようにしているという。

 「5つや6つの製品を使い分けなければならないのでは、TCOが非常に高くなる。例えばExchangeの継続的保護は、Backup Execでは1つの製品で単一のオペレーションによって実行できるが、複数の製品を使い分けなければならないのだとしたら、時間もストレージ容量も数倍かかってしまう。また、ユーザー企業にとっては、必要な機能を必要なときにオプションとして選べることも大事だ」(モハン氏)。

 中小や中堅の企業においてもシステムを常時稼働させていなければならないケースが増えている。BackupExecシリーズでは、バックアップやリカバリに掛かる時間を極小化することで、こうしたニーズに応えていきたいとモハン氏は語った。

関連リンク

(@IT 三木泉)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)