富士通のアクセシビリティ診断・修正ツール

主に公共機関の担当職員を想定、アクセシビリティ向上ツール

2006/11/29

加藤公敬氏の写真 富士通 総合デザインセンター センター長 加藤公敬氏

 富士通は11月29日、Webのアクセシビリティを診断・修正するツール「WebInspector Pro」を発表した。地方の自治体を主なターゲットとして、12月1日に販売を開始する。2008年度末までに6000本の販売を見込む。

 同製品は、2003年7月から無償で提供しているアクセシビリティ診断ツール「WebInspector」に、HTMLやXHTMLの修正機能を加えたもの。高齢者や視覚に障害のある人々が利用しやすいホームページかどうかを診断し、問題点を修正することができる。

 診断は以下の3つの指針に基づいて行う。(1)「JIS X 8341-3」(日本規格協会が定めたアクセスビリティ向上のための規格)、(2)「みんな公共サイト運用モデル」(総務省が定めた公共サイトのアクセシビリティ維持・向上のための運用指針)(3)「富士通ウェブ・アクセシビリティ指針」。

 同ソフトを使用するユーザーの多くが、公共機関で独自にホームページ制作をする人々であることから、問題点の検出だけではなく、アクセシビリティガイドラインを表示して、問題の詳細と対処方法を示すようにした。画像への代替テキスト情報付与洩れの編集・修正や、文字色と背景色のコントラストによる問題点を修正することができる。

 総務省の研究会がまとめた報告書によると、公共機関では「担当職員の理解や知識不足」「効果的な支援ツールがない」「作成時や完成時の評価が難しい」といった問題がアクセシビリティの向上に取り組む上で大きな問題となっている。同社では販売目標の6000本のうち、4000本を自治体向けとし、全国の公共機関(のホームページ)におけるアクセシビリティ向上を支援していく。

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(@IT 谷古宇浩司)

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